2019年8月22日木曜日

千葉大学時代の私の研究室の卒業生で農薬会社に勤務しているI君は、今担当している仕事は新規ビジネス調査だというので、9月13日(金)の東京農大での第115回農薬部会セミナーでの講演の1つは玉川大学の田渕俊人先生の「トマトの原種と栽培種との比較-野生種トマトの様々な利用法」だと知らせました。トマトの葉を虫に食べさせると、栽培種はあっという間に食べ尽くされるのに対して原種は全く食べられないとのことなので、品種改良の過程で失われた原種に含まれる何らかの物質がトマトの害虫に対して忌避効果か殺虫効果を持っている可能性があるのかなと想像していると書いたら、すぐ返信が届いて、彼が会社から派遣されて留学していたノースカロライナ州立大学(NCSU)の温室にもトマトの原種があって葉っぱを引っ張るとネバネバしたものが出てきて、殺虫成分はα-トマチンだったと記憶しているとのことでした。I君は私が指導した学生の中で最も研究能力の高い学生の一人でしたが、NCSU留学時代にそんなことに気が付いていたとは、彼の観察眼に改めて感心しました。ネットでちょっと調べてみたら、α-トマチンには抗菌活性があることがすでに知られていて、マウスに対する腹腔内投与のLD50(半数致死薬量)は32mg/kgとのことなので、多分害虫に対しても殺虫活性があるのでしょう。I君の返信には、(人間が食べる果実に発現するとまずいので)遺伝子操作(ゲノム編集)で栽培種の葉にだけ発現させれば病害虫防除に利用可能かもしれないというコメントも追記してありました。
ジャガイモは芽や塊茎にグリコアルカロイドと呼ばれる有毒物質が含まれていることがよく知られていますが、考えてみれば分類学上トマトとジャガイモはゲノムが8%しか違わない親戚なので、トマトの原種に似たような毒性物質が含まれていても不思議ではないと思いました。農薬部会セミナーで田渕先生の講演を拝聴できるのが楽しみです。

道場で空手の稽古と筋力トレーニングをしてから江戸川堤防に行って1時間半ちょっとウォーキングをして汗をかいてきました。帰りに昨日見つけた鳥居と社(やしろ)の間にセンダンの実に似た緑色の実がなっている大木がある場所をもう一度見に行きました。ちょうど横の鳶(とび)の看板のある家の男性2人がいましたので話かけてみたら、ムクロジという樹で、果皮の部分は泡が立つので石鹸として使え、中の褐色の種実は羽子板で羽根つきをする時の羽の重しとして使われるのだと教えてくれました。ネットで調べてみたら、英語ではIndian Soapberry というようです。どうしてこんな場所に鳥居と社があるのかと訊いたら、昔は個人の家の庭に小さな神社を祀っているところがたくさんあったので、その一つだろうという答えで、別に不思議には思っていないようでした。以前はもう1本モミジの大木があったが、枯れて無くなってしまったとのことでした。同じ通りは松龍寺というお寺の参道になっていました。参道の横に立っている石の道標には文化5年(1808年)と刻んでありましたので、211年前に設置されたもののようでした。松龍寺自体の説明碑には、由来として慶長18年(1613年)高木九兵衛正次公が開山と刻まれていましたので、もっと古く400年以上も前とのことでした。その当時のこの辺りはさぞ人里離れた山中だったのだろうなと想像しました。




 

 
 




坂川沿いの古い家の解体工事が行われていました。この辺りには他にもいずれは解体される筈の廃屋がいくつかあります。こういう家を見ると、昔は家族が住んでいて賑やかだったのだろうなと想像してしまいます。




この頃はミンミンゼミの鳴き声が目立つような気がします。園芸学部の旧正門に下りる坂道にはカブトムシとクワガタの死骸が落ちていました。鳥に食べられた様子はありませんでしたので、寿命が尽きて樹上から落下したのでしょうか。
いろいろな植物が実をつけていて、見ながら歩くと飽きません。毎日決まった時間に出勤しなくてすむ定年退職者の特権です。