2024年3月29日金曜日

今日は東京農業大学総合研究所研究会農薬部会の第130回部会セミナーが、オンラインと対面の併用で実施され、対面は世田谷キャンパスの国際センターカンファレンスルーム2で開催されました。農大キャンパスは古い建物が新しい建物に置き換わって、庭もランドスケープデザインですっかり変わって、面目一新しました。国際センター1Fは展示室になっていて、農大創設者の榎本武楊の胸像や関連資料が展示されています。昔の農具の展示の中に除草用具もあり、除草剤のなかった時代の除草作業はさぞ大変な重労働だったろうなと想像させました。第1講演は、東京農業大学教授の須恵雅之先生による「芳香族アミノ酸に由来する植物二次代謝研究」で、植物の一次代謝と二次代謝の違いから説明されました。第2講演は、近畿大学教授で日本農薬学会長の松田一彦先生による「日本農薬学会の現状と展望」で、学会は1975年に設立されたので来年3月には東京大学安田講堂で50周年記念行事を実施する計画とのことでした。先生自身が取り組んでおられるネオニコチノイド剤の作用点のアセチルコリンレセプターに関する研究の紹介もされました。分子生物学の発展によって、遺伝子操作を使って昔には想像もできなかったような精緻な研究が行われていることに今さらながら時代が変わって、私のような老人にはついていけない思いがしました。
「矢切の耕地を未来につなげる会」のメンバーで松戸市議会議員の増田 薫さんから、3月29日付けの千葉日報に掲載された「松戸・矢切の産業開発可能に」という見出しの記事のコピーが届きました。昨日3月28日に開催された松戸市都市計画審議会で、提案されていたマスタープランが多数決で承認されたことの報道記事でした。私も松戸市役所に出かけて審議会を傍聴してきました。マスタープランでは、市街化調整区域に指定されている矢切の耕地の一部を産業用地(具体的には物流倉庫建設)に転用できるようにするかどうかが争点でした。委員の中で、関根ジロー議員と原ゆうじ議員とミール計恵(かずえ)議員が発言し、矢切地区だけはパブコメでも農地として保全すべきという意見が多く出されているので、その他の反対がない地区とは分けて継続審議をすべきという動議を提案しましたが、多数決では動議に賛成は3票だけで、残りの委員は全員矢切地区を含めてマスタープランを原案通り承認する案に賛成でした。市街化調整区域の指定が解除される前に開発業者が高齢化した農家と農地売買の仮契約を結ばせて、非合法的と思われる手段で既成事実を作る等してきたことが効を奏したことになりました。残念です。これから開発の具体的な案が議論されるようになる筈です。