2010年3月12日金曜日

3月10日までに、53名の方から合計974,688 円の支援金が振り込まれました。今回もお一人は2回目でした。振り込んで下さった皆さま、ありがとうございました。もう少しで最初に目標とした 1,000,000円に達しそうです。私のWebサイトを共同管理してくれている元学生(千葉大学時代の研究室の専攻生)によると、最近は1日に400件 くらいのアクセスがあるとのことですので、支援者の皆さまがいろいろなところで輪を広げて下さっているのかなと想像しています。

昨日、駅まで東京スポーツ新聞(3月12日付け)を1部買いに行って先ず驚いたのは、この新聞は第1面が人前で広げるのが恥ずかしいような女 優の大きなヌード写真で飾られていたことです。家に帰って新聞を広げて次に驚いたのは、当該記事の見出しの「市橋募金に“ガールズ"が殺到」という表現で した。記事に目を通してもう一度驚いたのは、支援者を「市橋ファン」、「市橋ガールズ」、「市橋信者」と表現していたことです。早速支援者のお一人から、 書き方に悪意を感じる、悲しみと怒りがわいてきた、支援活動を貶めるだけでなく、支援者に対する侮辱でもある、というお便りをいただきました。その後、別 の複数の支援者からも同様のご指摘をいただきました。全くその通りです。これではまるで支援者を、人気歌手に付きまとう追っかけや、毒ガスを発生させて多 くの人を殺した宗教団体のリーダーを妄信して従う信者や、選挙で当選させてもらった○○チルドレン/○○ガールズ、と同じような印象を与えます。この記者 は、恐らく私への電話取材を録音し、記事の正確さを期した筈ですので、記事の大部分は取材内容を反映していました。しかし、肝心の支援活動の解釈と支援者 の位置づけについては、全く事実を理解しない間違った記事を書かれてしまいました。これが記者個人の誤解や思い込みによるのか、新聞を売らんがために意図 的にしたのかはわかりませんが、多分後者でしょう。

テレビの取材でも、インタビューの間カメラが 30分~1時間回っても実際に放映されるのはその中の30秒くらいという経験をよくします。たいていあらかじめ番組ディレクターが企画したストーリーが決 まっていて、録画した映像の中からそれに合う発言部分を切り出して使うようです。場合によっては、私がストーリーに合う発言をしない場合は、何回でも質問 の仕方を変えて都合のいい発言が出るまで質問し続けることもあります。私たちは普段新聞でもテレビでも、メディアは事実だけを客観的に報道するものと思い がちですが、販売部数や視聴率をかせぐためには必ずしもそうではない場合があるということです。

支援者の皆さまからいただいたメッセージによって、支援の動機にもいろいろあることがわかります。昨年の11月に市橋君の身柄が確保されて移 送された時に、手錠をかけられて頭からスッポリ上着を被せられ、取材陣に取り囲まれてもみくちゃにされている映像を見て、西部劇で捕まった犯人が大勢にリ ンチ(私刑)にかけられるのを黙って見ていられない気がして、何とかしてあげたいという気持ちになった方もおられるのでしょう。もみくちゃにされても凛と した姿勢を保っていた市橋君に、報道されていたほど凶悪犯人ではないのではと直感的に感じた方もおられるのでしょう。逃亡中、親に貰った顔を整形してまで 生き延びようとして必死に働いていた姿に同情した方もおられるのでしょう。自分の子供や弟がちょっと間違えれば市橋君の立場だったらと想像して、少しでも 力になってあげたいと思われた方もおられるのでしょう。中には、自分の娘や関係者がリンゼイさんの立場だったらと想像して激しい憎悪を感じながら、迷いな がらも、市橋君が適正な裁判が受けられるようにと支援を決意した方もおられます。私のように、道を踏み外して地獄の底に転落した元学生になんとか救いの手 を差し伸べてやりたいと思う者もいるのでしょう。これらの人々が、自分の思いをどう実現したらよいのかわからなかった時に、私が立ち上げた「市橋達也君の 適正な裁判を支援する会」の存在を知って、支援を寄せて下さったのだと思います。決して、東京スポーツ新聞が描いたような、女性のミーハー的関心とか母性 本能をくすぐられてというような皮相的な動機で支援活動をしているのではない筈です。

私が東京スポーツ新聞の取材を受けたことによって、書かれた記事で不愉快な思いをされた支援者の皆さまにお詫び致します。と同時に、メディア の方々には、メディアの本来の使命をもう一度認識して、販売部数や視聴率のためとはいえ、平気で人を傷つけるような報道をしないでいただきたい。