2010年5月3日月曜日

 4月30日に新たに1名の 方から振り込みがありました。延べ102名からの支援金合計は1,501,300円になりました。ありがとうございました。実は4月17日に支援金を現金 で直接手渡して下さった方がおられましたが、それ以後の私の帳簿の合計金額が1,000円間違っていたことに今日気がつきましたので、今回訂正しました。 皆さまから寄せられた大切な支援金ですから、収支には1円たりとも間違いがないようにし、しかるべき時期には会計監査をしてもらって皆さまにきちんと報告 致します。

支援者からメールでいろいろなメッセージが届きますが、封書で支援金受け取りの礼状を差し上げた方のお一人からは、私の字が汚いのでもっと練習をするよ うにとのおしかりをいただきました。もともと悪筆なのは自覚していますが、追記を通して、支援者がそんな注意をして下さるくらい今まで一度も会ったことも ない私との距離を近く感じて下さったのだと解釈して、思わず苦笑いしてしまいました。

この辺りは今が田植えの最盛期ですし、昨日は連休中で天気も良かったので、私の研究室を専攻してくれた元学生と久し振りに千葉県大網白里町砂田(イサゴ ダ)に水田の様子を見にでかけました。ここは千葉大学時代の私の研究室で谷津田の休耕田を借りてビオトープを造成し、農薬が生態系に及ぼす影響を何年間に も亘って(2007年10月まで)調査したところで、その後どうなっているか気になったからです。1年の中のある時期になると後背地の山から絶滅危惧種の アズマヒキガエルという褐色の巨大なガマガエルが多数下りてきて交尾・産卵をしたり、珍しいトンボやサワガニや何種類ものユスリカの幼虫や、マムシまでい る生物多様性の豊かなところでしたが、この集落の農家の高齢化(一番若い専業農家は70才)に伴って機械化ができるように小さな谷津田を崩して大きな水田 に変える造成工事が行われていました。少なくとも江戸時代から、後背地の山に降った雨が地中に浸み込み絞り水として3本の小さな滝を形成し、田越し排水で 谷津田を潤おした後は、南白亀(ナバキ)川に合流して九十九里浜の白子(シラコ)というところで太平洋に注いでいるところです。村人によると、昔(と言っ てもほんの数十年前まで)は太平洋の海底で産まれたウナギの稚魚(シラスウナギ)がこんな山の中の谷津田まで上ってきていたそうです。それが、今回の工事 で一応生物に配慮して調整池は造ってありましたが、水は下水のように土管で地下を流れるようになり、湿地も乾燥化して生物には生息し難い環境になっていま した。村人の生活がかかっているのでやむを得ないのでしょうが、本当は皆で知恵を出し合って、こういう場所はお米の生産性を高めることを目的とするよりも 自然の生物多様性を保全する場所として維持できればいいのになという気がしました。メディアや作家・評論家を含めて多くの人達は、今でも農薬によって里山 や水田周辺の生物相が貧弱になったと思い込んでいますが、実際は湿地の干拓や水路の下水路化や住宅地からの雑排水による汚染など、生物にとっての生息環境 の悪化が本当の原因で、農薬の影響は小さいということを、私たちの調査は証明しています。この話題については、いずれ私のWebサイトで詳しい記事を書こ うと思っています。