2011年8月13日土曜日

昨夜は、日本テレビで9:00-11:24pmにやっていたクリント・イーストウッド監督のアメリカ映画(2006年)「硫黄島からの手紙」(Letters from Iwo Jima) を妻と一緒に観ました。多分何回も放送された映画の再放送だったのかもしれませんが、今まで観る機会のなかった私たちにとっては初めてでした。1945年2月に始まった戦闘で、圧倒的な戦力の米軍に対して、渡辺 謙が演ずる栗林忠道陸軍中将指揮下の日本軍が必死に戦い、最後は全滅に近い多数の犠牲者を出して敗北します。米軍の犠牲者も多数にのぼり、最後に海兵隊員がアメリカ国旗の星条旗を擂り鉢(すりばち)山に押し立てる写真(今回の映画には出てきませんでしたが)は、今でもアメリカ人の愛国心・勇気の象徴として見られています。現在の日本の若者たちは、日米両国のこういう多くの尊い命の犠牲の上に今日の平和があるということを忘れがちですが、つい数十年前に起こったことなのです。

私が1969年にアメリカのノースカロライナ州立大学に初めて留学した時の指導教授の一人だったF.E.Guthrie 先生は、第二次世界大戦中はアメリカ海兵隊員で太平洋戦線に従軍し、硫黄島に上陸(多分戦闘終了後?に)したことがあり、朝鮮戦争にも参加した人でした。私の顔を見て、日本軍は硫黄島で実によく戦ったと言ったのを思い出しました。

国籍や人種は違っても、人間はお互いに良き師弟、良き友人、良き家族(アメリカ人と結婚した私の娘や、ブラジルでポルトガル人と結婚した私の兄のように)になれるのですから、戦争で殺し合うのは馬鹿げたことです。明後日8月15日は終戦記念日ですので、戦争は二度としないと誓ったあの日の思い(私はまだ3才でしたが、小学校時代に平和の尊さを教えられた記憶はしっかり身についています)を新たにし、若者たちにも伝えたいと思います。

房総半島には高い山はありませんが、太平洋に面した美しい海岸線と、内陸部には東京に近いにもかかわらず交通の便が悪い分だけ都市化を免れた昔風の景色が今でも残っている山村があります。千葉大学時代の私は、その時々の研究テーマで近くまで行くとこういうところに寄り道するのが楽しみでした。(写真はクリックすると拡大できます。) (2011.8.8 撮影)

 

外房の勝浦海中公園の展望台から見た景色-岩に砕ける白い波がきれいです

 

久留里(くるり)城から見た景色-碑文(ひぶん)には戦国時代の天文23年(1554年)に里見義尭・義弘が攻めてきた北条綱成の2万の軍勢と戦ったと記されている-里見という姓は南房総の領主として江戸時代の小説家曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」にも出てきます。15年くらい前にアメリカからがんの疫学者David Goldsmith博士が来日した時も、ここに案内しました。