2011年10月19日水曜日

10月17日に振り込まれた方(21回目)の支援金が届きました。これで支援金の現在高は118,500円、延べ406人からの合計額は3,895,928円になりました。長期間にわたるご支援ありがとうございました。

今日は市橋君に面会に行ってきました。今までは、面会時間はわずか8分間なので質問事項を忘れないようにメモにして持参していましたが、それだと事務的なやりとりだけで時間が終わってしまうので、今日はできるだけ市橋君の話を聞くことができるように一切メモも質問事項も準備をしないで行きました。そうしたら、先日私が郵送した手紙と差し入れされた本のリストが届いたと市橋君の方から切り出しました。リストについては、届いたもの(〇)、届いてすでに宅下げしたもの(△)、届かなかったもの(×)、不明または忘れたもの(?)、の印をつけるように指示してあったのですが、〇と×だけで答えていいですかと訊いてきました。予想外だったので何故だろうと一瞬考えて、せっかく善意で差し入れしていただいた本を狭い独居房内では保管場所が限定されているとはいえ、手元に置けずに宅下げしたと支援者に伝えたくないからかと訊き直したら、答え難そうに首を縦に振って同意していました。市橋君が他人に感謝して、その気持ちを傷つけないように配慮をしてくれたことに気が付いて、嬉しく思いました。ただ事実だけを明らかにすればいいとだけ考えていた私には、そういう配慮ができていませんでした。宅下げされた本は菅野弁護士の事務所ではなく、山本弁護士の事務所に保管されているようですが、いずれ確認するにしても、市橋君の希望を尊重してブログではどの本が宅下げされたかは報告しないことにします。
届いた本と届かなかった本の印を付けたリストは、明日発送してくれると言っていましたので、届いたら報告します。

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2011.10.16
市橋達也君

アメリカに出かける前に面会した時の君は失意のどん底の様子だったので心配していましたが、帰国して先週面会した時の君は本来の姿を取り戻したように感じて安心しました。人と交わることもなく、長期間独居房で暮らしていると、いろいろなことが脳裏に去来して不安感で落ち込むこともあるだろうが、多くの人が常に君のことを考え、君を長期間にわたって支援しようとしていることを忘れないように。
季節が夏から秋に変わったので、衣類なども暖かいものが必要だったら、私が面会に行く時でも、あるいは手紙ででも遠慮なく言って下さい。遠方の支援者からも郵送で送ったという連絡があったので、いくつかは届いていると思いますが。
先週面会した時に、今まで差し入れされた本について読み上げて確認してもらいましたが、急なことで君も戸惑って正確な返事ができなかったのではと思います。その後送ったという連絡のあったものも追加してリストを同封するので、届いたもの(○)、届いてすでに宅下げしたもの(△)、届かなかったもの(×)、不明または忘れたもの(?)の印を付けて、私に返送してくれますか。何故こんなことをするかというと、同じ本を複数の人が重複して差し入れすると無駄になるので、本を差し入れした人は私にメールで連絡してもらってそれを私のブログで報告するようにしています。ところが、一部の理解できない人たちが差し入れしていない本を差し入れしたと嘘の連絡をしてきて、他の人の差し入れを妨害している可能性があります。また、いい本を選んで本当に差し入れしてくれた人は自分の送った本が君の手に届いたかどうか確認してほしいと言ってきているからです。
これから君の裁判が結審して長い受刑生活をする時に、支援者が差し入れてくれる本は君と社会との接点になって、君が成長し続ける上で非常に役に立つ筈です。
先日君が卒論の研究で専攻した庭園デザイン学研究室の前々任教授だった白井彦衛先生が亡くなりました。私も69才になって心身ともに老化してきましたが、来年129日(日)に予定されている館山若潮マラソン大会のフルマラソンの部に参加申し込みをしました。今から3ケ月くらい走りこんで、何とか制限時間(6時間)以内に完走できるかやってみるつもりです。

本山直樹
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それから、今日拘置所の中で11月1日から適用される差し入れに関する新しいルールについて説明があったと話してくれました。これからは差し入れ者1人について、1日に差し入れできる本は3冊まで、写真は10枚までになり、それを超える分は差し入れ者に連絡なしにいきなり料金着払いで返送されることになったとのことです。この制限は差し入れを受け取る被収容者当たりではありません。同じ日に複数の方が差し入れをされる場合は、各差し入れ者毎に適用されるルールのようです。同じことが、面会者・差し入れ者の待合室の壁にも印刷物として貼ってありましたが、差し入れして下さる支援者のために市橋君が自分からその話をしてくれたことを嬉しく思いました。私に言えば、ブログで支援者の皆様に伝えてもらえると思ったのでしょう。

今日は外は急に涼しくなったので私はいつものように半袖シャツではなく、長袖シャツに上着(ジャンパー)を着てきたのだと言って見せたら、拘置所の中も今日から急に寒くなりましたと言っていました。衣類なり、必要なものがあれば遠慮なく言うようにと言ったのですが、答えはありませんでした。郵送した本のリストの中に、私が8月に差し入れた国語辞典は含めなかったのですが、市橋君から国語辞典は大変良かったですと言っていました。漢字を調べるだけでなく、読み物としても利用しているのかもしれません。
仕切り板の向こう側では、こちら側からは見えませんが、付き添いの刑務官がストップウオッチを押すと残り時間が掲示されているらしく、市橋君が後2分です、後40秒です、後20秒です、と3回知らせてくれました。私が言いたいことを時間切れで言えなくならないようにと気を遣ってくれたようです。何人かの支援者から手紙が届いている筈だからわかるだろうが、全国のたくさんの支援者が常に君の事を思ってくれているからと言って面会室を出ました。今日は、他者を思いやる気持ちを取り戻した市橋君を見て、明るい気持ちで刑務所を後にしました。皆様からのお手紙や、差し入れして下さった本などが、よい影響を及ぼしたのかもしれません。

その後、待ち合わせを約束していた月刊文藝春秋の記者と千葉駅で会って、喫茶店でICコーダーを回しながら、モンブランケーキとコーヒーをご馳走になりがらの正式取材を2時間ぐらい受けました。記事は12月号に掲載予定だそうですが、私の発言が間違った引用をされないように、原稿の段階でチェックをさせてくれるとのことでした。
松戸の自宅に帰った時はすでに日が落ちていたので、残念ながら今日はマラソンのトレーニングはパスしました。