2011年12月11日日曜日

12月6日(木)の朝日新聞朝刊の天声人語という欄に気になるエッセイが載っていました。昔はどこでも普通に見られたスズメが減ってきているらしいという紹介に続いて、 [スズメと同じく童謡に歌われ、同じく「学校」で学ぶメダカを思う。どこの水辺にもいたのに、開発や農薬で絶滅危惧の赤ランプがともる。] と書いてありました。どなたが筆者かはわかりませんが、農薬について古いイメージをお持ちのようで、相変わらず誤解されています。人口増加に伴う開発で農地や水辺(特に都市近郊の)が埋め立てられてメダカの生息環境が減少したのは事実ですが、私たちの長年にわたる野外での調査研究で、現在の農薬はメダカの密度減少に関わっていないことが証明されています。

メダカが見られなくなったのは、水田の暗渠(あんきょ)排水設備で水田の中と外の水路との間を生物が行き来できなくなったことや、稲の生育のある時期には水田が乾田化することや、水路自体が生物の生息環境として不適な3面コンクリート張りになったことや、洗剤を含んだ家庭からの雑排水が水路を汚染していることなどが本当の原因です。その証拠に、昔風の土の素掘りの水路が残っているところでは、水路に田んぼで使った農薬が流入したり、空からヘリコプターで散布した農薬が直接落下しても、メダカは昔通りたくさん生息していて、「メダカの学校」の歌のように群れをなしています。

昔のようにメダカを身近で見られるようにするには、コンクリート3面張りにした水路を水草が生えてメダカが棲(す)める土の水路に戻すことが必要です。そうすれば、メダカもホタルも復活します。

昨日たくさん走ったので、今日は少し足を休めようと思って江戸川堤防をゆっくり14Km だけ走りました。これで累積は472Km/55日になりました。