2012年1月12日木曜日

他にも用事があったので車で千葉刑務所に行き、市橋君に面会してきました。午前中の早い時間に着いたので、面会申込書の番号は16番でした(午後の場合は90番ぐらいの時もあります)。待合室には私より前に3人くらい順番待ちをしていました。午前11時になってスピーカーから16番の番号が呼ばれましたが、現在入浴中ですのでさらにアナウンスがあるまでしばらくお待ちくださいと告げられました。12~13分したら再度アナウンスがあり、16番の方は受付までお出で下さいと告げられました。すぐ受付のある建物に入り、面会許可証を手渡し、携帯電話とカバンをロッカーに入れて、指定された面会室にメモ用のボールペンと紙だけ持って入りました。ほぼ同時に仕切り板の向こう側の小部屋のドアから市橋君と刑務官が入ってきて、仕切り板の向こう側に着席し、刑務官がストップウオッチの開始ボタンを押しました。

いつものように市橋君は少し緊張した神経質そうな表情をしていましたので、元気にしていたかと訊いたら「はい」と答えました。入浴していたと言っていたけど、シャワーなのか複数の人と一緒に浴びるのかと訊いたら、独居房の人は廊下の向こう側に小さいけど個室の浴室が2つあって、ちゃんと湯船に浸(つか)れるのだそうです。二人ずつ入浴するけど、それぞれ個室の浴室を使うとのこと。週に何回お風呂に入れるのかと訊いたら、2回だと答えました。

私がディズニーランドに行って松枯れの様子を視察してきたよと言ったら、急に市橋君の表情が明るくなって目が輝きました。総合受付に行って目的を伝えたけど対応してもらえなかったので、電車に乗って何回かグルグル廻って、松のある近くの駅で降りて、駐車場を歩いて松の状況を見たけど、よく管理されていて枯れている松は1本もなかったことを伝えたら喜んでいました。ディズニーランドが経営しているホテルがあって、その外側の東京湾に面したところに松がたくさんあるけどそれはどうなっていましたかと訊かれましたが、それには気が付かなかったのでまた今度見てくるよと答えました。グリーンアンドアーツという会社が植栽の管理を担当している造園会社だけど、自分が卒業論文の研究をしていた時もいろいろ質問をしたら嫌がられてあまり対応してくれなかったと言いました。こういう会話をしている時の市橋君の表情は、今まで面会に行き始めて見たことがないくらい明るく生き生きとしていました。こんなに明るい表情の市橋君を見るのは初めてでした。その他にも、平砂(へいさ)浦の松や、富津岬の松や、九十九里浜の松や、銚子の松などについても話をしました。

支援者が差し入れてくれたダウンジャケットは届いたかと訊いたら、今着ているこれがそうですと言って着ている軽くて暖かそうなジャケットを指差しました。その他の冬用の衣類も届いたかと訊いたら、「はい」と答えました。多分ジャケットの下に着用していたのでしょう。じゃあもうこれ以上衣類は必要ないかと訊いたら、「はい」と答えました。

市橋君の方から、前回私が差し入れすると言った玄制流の空手の本はやっぱり差し入れ許可になりませんでしたかと訊きましたので、いやそうじゃなくて、私が千葉大学を定年退職した時に多くの書籍類は小さな貸倉庫(レンタルボックス)に移したのだけど、整理整頓がされていないので見つけられなかっただけだと答えました。必ず探し出して差し入れするからと言って、玄制流の歴史について少し説明をしてやりました。大事な本でしたら、コピーでも構いませんからと言っていましたので、狭いスペースしかない刑務所の中でできる健康管理の方法、精神を安定させる方法として、空手の稽古をやっていこうと真剣に考えているのかもしれません。

何人もの支援者が手紙は書けないけど、君に元気で強く生きてほしいと伝えてほしいと言っていたよと言ってから、何か支援者に伝えたいことがあるかと訊いたら、しばらく考えてから、しばらくもう本の差し入れは結構です(英語の本も読むのには時間がかかるので)と答えました。多分、差し入れされる本が多過ぎて読み切れないのでしょう。今まで差し入れされた本を読み終わるまで、しばらくは本の差し入れは控えていただいた方がよいかもしれません。
ただ、今まで頻繁に本や食べ物やお花の差し入れに刑務所を訪れ、市橋君宛に直接手紙も書いて下さった特定の支援者のお名前を挙げて、最後に一冊だけ「百万回生きたねこ」(佐野洋子箸、講談社、1977年発行)という絵本を差し入れていただければありがたいと言いました。この支援者にはその旨お伝えし、早速対応して下さるそうです。

他にも話したいことはたくさんあったのですが、ここまでで8分間が終わって刑務官のストップウオッチが目覚まし時計のように鳴ってしまいました。私が立ち上がって、時間になってしまったな、また来るから元気でなと言ったら、市橋君も立ち上がってお辞儀をして私が小部屋を出るのを見送ってくれました。
今日のような明るい生き生きとした表情の市橋君をご両親がご覧になったら、どんなにか安心して喜ばれただろうという気がしました。

千葉刑務所から帰宅して、江戸川堤防を今日も18Km 走ってきました。累積は766Km/87日になりました。マラソン大会まであまり時間がなくなってきましたので、もう少し急な坂道を上り下りするトレーニングや、スピードを出すインタバルトレーニングをしなければいけないのですが・・。自分の体調と時間の問題とで、なかなか思うようにはいきません。