2012年2月8日水曜日

遠方の支援者から、今月末の29日(水)に上京して市橋君に差し入れに行く予定との連絡がありました。せっかく遠方から来られても、同じ日に他の方が先に差し入れをして、差し入れができないとお気の毒ですので、他の方は重ならないようにこの日の差し入れは避けていただければと思います。郵送による差し入れは別のようですので、構いません。もしかしたら、その時までには市橋君の身柄は小菅に移されているかもしれませんが。

あるテレビ番組制作会社から、3月18日(日)テレビ東京(全国ネット)で20:00~22:30に放送予定の「ニッポン事件簿」という番組で市橋君の事件もその一部として取り上げたいとのことで、私への取材申し込みがありました。私としては、以前情報がなかった時にメディアが作り上げた市橋君の虚像を是正して、市橋君の実像を国民に知ってもらう一つの機会ですので、取材OKの返信をしました。もちろん差し障りのある個人情報は一切公表するつもりはありませんが、学生時代の市橋君を知っていて、最近の市橋君にも直接面会している数少ない人間の一人として、彼の実像を伝えられればと思います。東京高裁での控訴審は3月15日ですから、その3日後に放送予定というのはタイミングがいいのか、悪いのか・・。

ローマのFAOで開催されるマイナー作物の農薬登録問題に関する国際会議でプレゼンテーションをする準備として、一昨日はFAMIC(農林水産省消費安全技術センター)の農薬検査部農薬残留検査課を訪ねて情報収集をしましたが、今日は午前中に農薬工業会、午後に全農(全国農業協同組合連合会)肥料農薬部技術対策課を訪ねて情報収集をしてきました。後は、農水省の植物防疫課から情報収集できれば、プレゼンテーションをするのに必要な基礎的資料は全部そろいます。

農業大国で農産物が重要な輸出品目でもあるアメリカでは、確か1963年頃からIR-4(Interregional Research Project Number 4)と呼ばれる国家プロジェクトが動いていて、生産量の少ないマイナー作物の農薬登録に必要な試験データの作成は国が毎年莫大な予算をつけて費用支援をしてきています。一方、日本ではマイナー作物に使う農薬にもそれ用の登録が必要と規制が強化されてから、登録に必要な試験要件を軽減する措置を取りましたが、費用は地方政府(都道府県)や農薬メーカーの負担のままにしてきました。そのために農薬の値段が高くなって農家の生産費が高くついたり、そのために農産物の国際競争力が弱まったり、農薬メーカーが赤字になる場合は登録自体に消極的になって、農家は病害虫・雑草の防除資材がなくて困ることになります。私は従来、日本の農水省はこの問題に対して何故こんなに冷たいのだろうという印象を持っていましたが、実はそうではなかったということが今日わかりました。

農水省も、当時マイナー作物の農薬登録に必要な試験費用を国が支援するべく財務省に予算申請をしたようですが、ちょうど小泉内閣の時で、地方分権や国家事業の民間移管の流れが大きくなった時に重なり、時代に逆行して全く問題にならないと財務省に却下されてしまったというのが事実のようです。確かに補助金が交付金に変わって地方の自由裁量の範囲が増加したのはいいのですが、今度は地方政府内の勢力争いで、マイナー作物(と言っても、その地方にとっては重要な地域特産農産物)栽培に必要な防除資材の確保というような目立たない分野・力の弱い分野には目が行き届かず、必要なお金が回らないというのは問題だなと感じました。