2012年3月23日金曜日

今日はあいにくの雨天になりましたが、千葉大学園芸学部では大学全体の卒業式に続いて、恒例(昨年は東北大震災の影響で中止)の卒業生を送る会が松戸キャンパスで催され、名誉教授の私も招待されて参席しました。名誉教授の参席者は3名だけでした。大学全体の卒業式は千葉市で催されますが、人数が大勢なので各学部の教員は学部長はじめ数名しか参席できないので、式終了後に卒業生全員が松戸キャンパスに戻って、全教員から祝福を受ける卒業生を送る会が催されます。学部長の挨拶、戸定(とじょう)会(同窓会)会長の挨拶、後援会(父兄会)会長の挨拶、学生代表の挨拶が行われ、各学科から2名ずつと、園芸別科(実技教育が中心の2年課程)から1名選ばれた計9名の成績優秀学生の学部長表彰が行われました。今年は女子学生7名、男子学生2名が表彰され、女子学生が断然優位でした。
毎年行われる行事ですが、卒業生たちは今日を節目に、大学院への進学、民間会社への就職、国家公務員、地方公務員、高校教員、中学教員など、各々の道を歩み始めます。喜び一杯の学生たちの姿を見ながら、千葉大学園芸学部において4年間または2年間の課程を修了して巣立つ学生たちに、明るい未来が拓(ひら)けることを祈る気持ちになりました。息子たち、娘たちをここまで育ててこられたご両親にとっても、親の責任を果たした喜びの日になった筈です。
本当は、市橋達也君も7年前のこの時期には、今年の卒業生たちと同じように夢の実現に向かって意気揚々(ようよう)と巣立ったのですが・・。


どの大学にも独自の歴史があるのでしょうが、千葉大学園芸学部のホームページを見ると、http://www.h.chiba-u.jp/overview01.html 1909年(明治42年)に千葉県立園芸専門学校として設立され、1929年(昭和4年)の千葉高等園芸学校への名称変更と文部省への移管換えを経て、1949年(昭和24年)に国立千葉大学の園芸学部になっています。その後大体10~15年間隔で大きな改組が行われ、現在は4学科(園芸学科、応用生命化学科、緑地環境学科、食料資源経済学科)と園芸別科から構成されています。昔は園芸技術に関する教育・研究を特徴とし、実習教育にも力を注いでいましたが、現在は従来の学問分野の境界が必ずしも明確でなくなってきたこともあって、また外部資金(研究費)のとれる分野、社会的関心(ニーズ)の高い分野が突出するようになり、教員の業績評価も発表する論文のインパクトファクター(他の研究者にどれくらい注目され引用されるか)が最重要視されることもあって、従来の実習教育の伝統は急速に失われつつある(教員が真面目に実習教育に時間と力を注いでも、業績として評価されないので)ようです。大学があまりにも社会情勢に流されて、時代によっては猫も杓子(しゃくし)も生産、猫も杓子も環境、猫も杓子もバイテク、猫も杓子も??、というのは基本的に教育・研究機関としての大学には問題だと思うのですが・・。