2012年3月8日木曜日

3月6日に振り込まれた方(4回目)の支援金が届きました。これで支援金の現在高は322,500円、延べ478人からの合計額は4,419,428円になりました。この方は昨日のブログで紹介しました謙遜したメッセージを送って下さった方ですが、ご自分とは何の関係もない市橋君のために貴重なお金を4回も振込んで下さったことは大変ありがたいことです。次回市橋君に面会に行く時に、支援者からのこういうありがたいご支援に対して、感謝の気持ちを忘れないようにと伝えてくるつもりです。ありがとうございました。

朝、余裕をもって早目に7時半に家を出て車で千葉県旭(あさひ)市蛇園(へびその)のJAちばみどり海上(うなかみ)中央支店に向かいましたが、途中渋滞区間もあったために現地に着いたのは約束していた10時ピッタリでした。旭市というのは、先日君ヶ浜の松枯れ状況を視察してきた銚子市の西隣に位置し、千葉大学時代にヘリコプターで水田に散布された薬剤の環境中での動態と生態影響を何年間も調査をした山田町(現香取市山田区)の南東に隣接し、九十九里浜の北端に位置していました。昨年3月11日の地震に伴う大津波で、死者13人、行方不明者2人という犠牲者がでたところです。先ずJA(農協)で幹部と挨拶をした後、県の普及指導員の方々、海上マッシュルーム組合(19農家で構成)の幹部3人の案内で3戸のマッシュルーム栽培施設を回って、生産工程を見せていただきました。
菌床(きんしょう)に使う堆肥は馬糞と稲わらを一次発酵、二次発酵させた後水蒸気消毒したもので、穀物で培養増殖したマッシュルーム菌を植菌し、菌がまんべんなく増殖したところでピートモスで覆土して散水するという手順でした。真っ白なマッシュルームがニョキニョキと発生し、普通は4回収穫できるのが、キノコバエと呼ばれる微小なハエが大量発生すると菌床中の幼虫が菌糸を食べてマッシュルームの発生が著しく少なくなったり、マッシュルーム自体の中にも入って食害して、収穫が1回しかできなくなったり、マッシュルームにシミができて品質低下で出荷できなくなったりするとのことでした。
現地では、電燈証明でキノコバエ成虫を誘引して粘着シートで捕獲したり、施設内への成虫の飛び込みを防ぐためにあらゆる隙間をスポンジ様のもので埋めたり、入口に2重カーテンをしたり、換気扇は目の細かいネットで覆うなどの工夫をしていましたが、粘着シートには成虫が多数捕獲されていて、明らかに効果は不十分でした。
施設内は空調で温度が一定に保たれ、キノコバエの発生の餌となる菌床が大量に与えられ、天敵は存在しない、というまるでキノコバエ大量増殖施設のような大発生に適した条件がそろっています。従って、一度成虫が施設内に侵入して菌床に産卵すると、孵化幼虫が発育して増殖を繰り返しますので、最初の段階でこの悪循環をストップするのが防除のポイントだと思われました。現在採用されて不十分な効果しか得られていない物理的な防除方法に加えて、成虫と幼虫に対する化学的な防除方法を採用するために、農家(生産者)に協力してもらって試験をすることにしました。成功すれば、安定して高品質のマッシュルームが高収量で収穫できるようになり、農家は助かる筈です。
帰りには今日の視察のお礼に千葉県特産の落花生の各種詰め合わせセットとマッシュルームを一箱いただきました。今日訪ねた農家の一軒の庭には大きな梅の木が一本あって梅の花が満開に咲いていましたが、今年は遅い方だと言っていました。