2012年4月27日金曜日

雨の中を綾瀬駅から傘をさして、この道を通るのもこれが最後になるかもしれないと思いつつ、歩いて東京拘置所に向かいました。私の気持ちを反映してか、足取りは重く感じました。高層マンションが並んでいる横の道沿いにはツツジが植栽してあり、白やピンクや赤の他に紫色の花のもありました。多分オオムラサキという品種だろうと想像しました。千葉大学園芸学部の学生寮の前の斜面にもオオムラサキが一面に植栽されていて、毎年大きな美しい花をたくさん咲かせます。マンションの庭には白い清楚(せいそ)な感じの花が咲いているハナミズキの木が何本もありました。市橋君に会ったら、園芸学部のオオムラサキを覚えているか、今はハナミズキの白い花がきれいだよ、と言ってあげようと思っていました。
面会の申し込み窓口に申請書を書いて出す時は、もしかしたらこの被面会者はもう刑が確定して受刑者になったので面会はできませんと言われるかもという不安がよぎりました。刑務官は申請書に書かれた名前をパソコンで照合して確認してから面会許可書(整理票)を発行します。許可書を渡されたので、まだ面会はできるのだと思って待合室の電光掲示板に私の番号が出てくるのを待っていたら、しばらくして、〇〇番の人は窓口に来て下さいというアナウンスが流れました。行ってみたら、「他に予定がありますのでお断りして下さい」という伝言を伝えられました。私が、市橋君がそう言ったのですかと訊いたら、そうですと言われました。一瞬どういう意味かなと迷いましたが、わかりましたと答えて、拘置所を後にして元来た道を駅に向かいました。帰りの足取りはさらに重く感じました。
「他に予定がありますので」というのはどういう意味だろうと考えました。上告を断念して刑を受け入れたので、今後はもう誰とも会いたくないという意味だろうか。それなら、「これからは自分一人で罪を償う生活をするのでもうお会いしません」とでも言うのではないか、と思いました。直接そう言うのは失礼と思って「他に予定がありますので」と婉曲(えんきょく)に言ったのだろうか。それとも、元支援者でその後は個人的に熱心に支援をして、市橋君も面会を受け入れていた方が一人おられるので、この方から手紙で今日は面会に行くからと予約が入っていたのかもしれないと思いました。面会は1日に1回しか認められませんので。あるいは、裁判が終わったのでご両親が面会に来られる予定を市橋君に速達ででも知らせたのだろうか、とも思いました。
どれが事実なのかはわかりませんが、もし市橋君がこれからは自分一人で罪を償う生活をする覚悟を決めてもう誰にも会いたくないということだったら、それはそれで尊重してあげなければとも思います。もし、上記の2番目か3番目の想像が当たっていれば、手紙ででもその旨を知らせてくれるかもしれません。特に、前回私が郵送で差し入れた私からの添え状(4月24日付け)にも、私は今後とも市橋君との面会を続けたいという意志を明記しましたので。
こういうことを考えると、今のところこのまま様子を見るしかないようです。

支援者から以下のお便りが届いています。
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本山先生こんばんは、市橋さんの決心は変わらなかったのですね…
支援者の方も言われてますが、私も市橋さんはこの先、刑務所の人以外誰とも関わらないのでは…と、心配しています。
市橋さんのご両親も、リンゼイさんのご遺族への配慮から市橋さんに会わないという気持ちを崩すことはないようですし…
でも本山先生との繋がりは自分から断たないで欲しいです。
それと、会わないというのは市橋さんご家族の決めたことなのでしょうが、市橋さんには年に一回くらいは、家族のルールを破ってご両親に元気ですかと、お手紙を書いて欲しいです。
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本山先生 お疲れ様です。夜遅く、書き込みをしてしまい申し訳ございません。残念です。でも、予感はありました。けっしてそうではないのに、結果、撥ねつけられてしまい、失意のどん底だったでしょう。市橋さんも毎日一人ぼっちの部屋で壁と向き合って消えそうになる自分の影と一緒に悩みぬいて、苦しみぬいて出した結果なのだと思います。彼のその出した心の声を十分に受け止めてあげたいと思います。市橋さんのご両親も、きっと、その決心が、それが一番あなたらしいと思ったのではないでしょうか。会わずとも、子を見守る気持ちは千の言葉を言うより強かったことと思います。また、子として、理解することもできたのではないでしょうか。また、支援者の皆様にも甘えては申し訳ないという最後の気持ちを知ってもらいたかったとともに心からのありがとうという気持ちも伝えたかったと思います。
本山先生、今後、見守ること以外に何かできる事があるときは言ってください。ずっと、今後も支援者です。面会の時があったら、伝えてください。
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本山先生、-----明日市橋君と面会するそうですが、ぜひ市橋君の思いを聞いてきてください。本山先生しか心を許せる人はいないと思うので・・・。私が良かれと思って支援した事が、市橋君にかなりの負担をかけてしまったのではないかと気に病んでおります。
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働いた事の無かった市橋君が逃亡中に過酷な仕事をやり遂げたのですから、刑務所に入っても何とかやっていけるのではないでしょうか。余りにも能天気な考えかも知れませんが「住めば都」という言葉もあります。贖罪の気持ちを持ちながら作業に従事してほしいです。
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市橋君も最初は慣れない仕事に戸惑うでしょう。でも慣れれば苦にならなくなるはずです。市橋君がどの刑務所に行くかわかりませんが、長期の刑務所と言う事で外では職人が行なう仕事をやるのでしょう。例えば千葉刑務所の場合、神輿(みこし)や桐タンス、紳士靴を作っています。地下鉄サリン事件でサリンを散布した林郁夫受刑者はサッシを作っているそうです。(読売新聞に以前載っていました)
 私が市橋君に言いたいのは、罪を犯した事実は変えられないのだから、刑務所の中でこれからの生き方考え方をどのようにするのかが一番大事だと感じます。罪の意識を持って懲役生活?を送るか、ただ惰性で送るかでは全く違うと思うのです。
受刑者の中には「やられた方が悪い、外に出たらまたやる」と開き直っている者もいるでしょう。市橋君はそんな人ではないと信じています。
本山先生、もし面会できるのであれば様々な支援者の思いを伝えてほしいのです。決して市橋君のことを見捨てていないのだと。
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本山先生こんにちは、小菅まで本当にお疲れ様でした、先ほどブログ拝見しました。市橋さんの伝言の真意は今はまだわかりませんが、本当に予定があったんだと思いたいのですが… 想像ですが、自分の思いやこれからのことは少し落ち着いて(収監されて)から、先生にお手紙を書かれるのかもしれませんね。私はこれからも、市橋さんが心身ともに元気で、いつの日かご両親との再会が許されますようにと祈ってます。
先生が支援する会を立ち上げられたおかげで適正な裁判の為の支援はもちろん、支援者の皆さんの声を聞けたり、市橋さんの様子を知ることが出来ました。本山先生には感謝の気持ちでいっぱいです、本当にありがとうございました。これからも先生のブログは拝見させて頂きますので、もし市橋さんからお便りがありましたらブログで知らせて頂けるとありがたいです。では、お体に気を付けてこれからもお仕事にトレーニング(マラソン)頑張って下さい。

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もうこの言葉しか出てこない、残念で残念で仕方ありません。彼は死ぬことばかりしか考えられなくなっているのかもしれない。身柄を拘束され連行途中のあの姿のように身も心も疲れ果て、そう思うと可哀想で、可哀想で傍にいてあげれたら。。。どうにもならないことが辛く悲しい。実は14日の書き込みを読んだときはとてもショックで、理性をなくしたような強姦のシーンやアザが残る力で女性に手をあげたなんて。と、暫く私自身も支援を続けて行くことを悩みましたが、それでも無期の判決は重すぎる、彼は逃亡したことにより過ちを反省し得たのではないかと、以前と変わらない考えに落ち着いたのです。だから上告してくれることばかりを心の底から届けと訴えていたのに、とてもとても残念で悲しい。逢いたい、逢って話がしたい、聴いてあげたい、一緒に泣いてあげたい。
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今晩は。本日のブログ拝見し、とても残念でした。朝日新聞の記者の方からは、ご連絡ございましたでしょうか?私も再度、東京高裁(東京地裁)に電話で確認をしました。家族や記者でなくても教えて頂けました。やはり上告の意思表示は届いていないそうです。これから届く場合もあるか確認しましたが、もう期限も過ぎているので、一般的に上告されないと判断されるようです。
本日の面会の件と上告の確認をして、市橋達也さんの裁判と『市橋達也君の適正な裁判を支援する会』も(支援金の振込は終了してますが)終わったと感じ、悲しくなりました。「他に予定がありますので」の真意は分かりませんが、もし上告期限を境に受刑に向け、一人で生きて行く決意をしたと彼の気持ちを察し、もうそっとしてあげた方がいいと思ったり、他の方と面会予定があった為、断らざる得なかったのでしたら、心残りな状態になりますので(本山先生のお考えやご都合にもよりますが)もう一度面会に伺われた方がいいのかと考えたりもしました。以前ブログで、被害者遺族から被害賠償の民事訴訟を起こす可能性もあるとの事でしたので、その場合の弁護士費用も気になります。いつか支援金の残金について弁護士さんとお話される時に、伺えましたら、お願い致します。(本山:わかりました。その点については、支援金の使用内訳の報告をいただく時に弁護団に確認します。
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東京農業大学では、4月28日(土)7:00-29日(日)23:00の期間は停電のためメールが停止するそうです。この期間に私宛に送信されたメールは返送される可能性があるとのことですので、ご注意下さい。なお、私の個人的なaolの方のメールは使えますので、必要な方にはアドレスをお教えしますので今夜中にお知らせ下さい。明日はブログの記事の更新もできないかもしれません。