2012年4月23日月曜日

今日は期待していたお手紙が期待していた時間までに届かなかったので、面会に行くのを止めました。その後、学生時代に市橋君と同じ研究室を専攻し空手部でも一緒に稽古をしていた友人からメールが届き、市橋君宛のメッセージを託されましたので、明日の朝一番に東京拘置所に寄って、差し入れの手続きをするとともに面会もして直接読んであげようと思います。現在の状態の市橋君が心を開ける数少ない友人の一人ですので、メッセージに接して上告をしようと心が動かされればいいのですが・・。予定を変更して、私は明日24日(火)に面会に行きます。明日面会を予定していた方がおられたら申し訳ございません。

支援者から早速以下のお便りが寄せられました。
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本山先生 こんな夜分にメール差し上げ、失礼お許しください。明日、面会に行って下さるとのこと、本当にありがとうございます。先生の面会・お友達の方からのメールの両方で、市橋さんの上告の意思につながればと期待しております。
私は、決して「無期懲役がおかしい」とは思っておりません。何しろ法的知識がございませんので(それにしても、他の犯罪の判決と比べると、いろいろ思うことはございますが)、“そういうものだ”と言われるならそうなのかも知れないと思います。ただ、本の印税で償おうとしたこと、土下座したこと・・・が反省の意思なしと短絡的に判断されることは許せないのです。逃亡は悪いことではありますが、「罪を犯した、警察は取り逃がした」という状況なら、逃げたくなるのが人間ではないか、人間だれしももつ「弱さ」ではないか、と思うのです。それをことさら市橋さんだけが「悪」と断じられるのはなぜか。それら疑問が解決され、正当な判決がなされたうえで「無期」ならいたし方ないことです。けれども、現状は違う、そこが納得いかないのです。
市橋さんにすれば、社会にも・人間にも・司法にもあきらめ、絶望しているのかも知れず、上告し戦うことは「しんどい」ことなのでしょう。しかし、投げ出さず、最後まで頑張ってほしいと思っています。それは市橋さん個人のことだけでなく、これから先、「誰か」の判決の公平性にもつながるものと思います。
先生、本当にご多忙な中、大変なことと思いますが、何卒明日はよろしくお願い申し上げます。

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東京日比谷の帝国ホテルで、スミチオン剤発売50周年記念の講演会とパーティがあって、私も招待されましたので参加しました。スミチオンというのは住友化学という会社が発明して1962年から農薬登録をとって販売してきた有機リン殺虫剤で、農業生産だけでなく、家庭園芸、生活環境、緑地の保全などの分野で素晴らしい貢献をしてきました。講演は、この3月まで島根大学学長だった山本廣基先生(現在熊本大学監事)が「社会のための農薬科学」と題して、農薬に対する社会の偏見の現状とそれをどう解決するかについてお話されました。特に、山本先生は2008年に島根県出雲市でスミパインMC(有効成分はスミチオンと同じフェニトロチオン)が松くい虫対策としてヘリコプターで散布された日に多くの子供たちから目のかゆみ症状が訴えられた事件の原因検討委員会の座長でしたので、詳細な経緯の説明と的確な問題点の指摘をされました。
パーティではマジシャンによるマジックショウがあり(写真の下の右)、私にはひとつもトリックを見破ることができず、狐につままれた面持ちでさすがプロと感心しました。