2012年4月18日水曜日

昨夜、友人のT弁護士に電話をして、もう一度現状を説明して、刑事裁判に強い弁護士の紹介を依頼しました。まだ市橋君自身が上告(今回は法律用語では控訴ではなく、上告と言うのだそうです)を希望するかどうかわからないけど、一度私がその弁護士を訪ねて相談をしたいと伝えました。弁護士と相談をする時は30分とか1時間単位で相談料を払うのが普通だということを知っていますので、募金を締め切ってから振り込んで下さった支援金が1万円だけ保留してあるので、その範囲で相談料を払ってもいいし、実際に弁護を引き受けてもらえることになったら、弁護士料は今から募金して手当てするからと伝えました。そうしたら、今日の午後電話があって、刑事裁判のプロ中のプロと言ってもよいほどの最高の弁護士K氏(新東京法律事務所所属)を紹介してくれました。ただ、引き受けるかどうか決める前に、どういう裁判だったのか検討するので判決謄本をPDFかFAXで送ってほしいとのことでした。判決が下されて裁判が終わると、判決とその理由など裁判長が述べたことなど全てが文書化されて弁護団に送られてくるものだそうです。

早速菅野弁護士に電話をして、一審と二審の判決謄本を入手できないか打診しました。一審の判決謄本は当然すでに届いているが(それに基づいて控訴の趣意書を作成したので)、二審の判決謄本は恐らく今週末までには届くのではないかと予想しているとのことでした。弁護団は今週の月曜16日に全員集まって控訴審の総括をして、弁護団としては上告はしないことを確認したようです。市橋君自身が上告を希望するかどうかが先決ですが、山本弁護士が昨日接見に行かれたがまだその結果を確認していないとのことでした。私も山本弁護士の事務所に電話をしてみましたが、運悪くお留守でしたので、市橋君の希望がその後変わったかどうか確認できませんでした。

私は明日19日(木)に市橋君に面会に行って、上告するように再度勧めてくるつもりです。もし市橋君が同意すれば、来週25日(水)までに上告の手続きをする必要がありますので、山本弁護士にお願いしたいと思っています。その上で、菅野弁護士が今週末には届く見通しとおっしゃった判決謄本を入手してPDF化してK弁護士にお送りするつもりです。例え、上告しても無期懲役が変わる可能性は小さいとしても、市橋君が自分としては全てを正直に話しましたと言ったことが、裁判では信用できない虚偽の弁解と断じられたことを、最後のチャンスとしてもう一度検証してもらう機会を与えたいと思います。

少し前の郵便不正事件で大阪地検特捜部長が厚生労働省の村木厚子局長を犯罪者に仕立て上げようとした時もそうでしたが、検察官が無罪の被告人を有罪にするために証拠の隠蔽(いんぺい)だけでなく改ざんまでしたということが明らかになって国民がショックを受けたことは記憶に新しいところです。今日の朝日新聞には小沢一郎被告の事件に関連して、元秘書だった石川知裕衆議院議員の取り調べを担当した検事が実際にはなかったやりとりを捜査報告書に記載した(虚偽有印公文書作成・同行使)容疑で刑事告発された事件に関する記事が報道されていました。この事件の場合は石川議員が取り調べの様子を隠しマイクで録音していたことで嘘が暴露されました。検察官は、起訴して裁判で無罪になると昇給に影響するという馬鹿げた慣習に根本原因があるのでしょうが、こちらの方は法務省として現在制度の見直しが検討されているようです。一方、裁判官の中にも検察側の主張に安易に同調する(その方が判断を間違える可能性が低いので)場合もあるということを聞きます。市橋君が、正直に話したことまで虚偽の弁解と否定されて犯した罪に相当する以上の罰を与えられるようなことがあるのだとしたら、どうせ市橋君はリンゼイさんに悪いことをしたのだからといって、見過ごすべきではないと思います。

今日はT弁護士からの電話が来るのを待って、午後遅く江戸川堤防を6Km 走ってきました。このところ運動不足で体は重かったのですが、T弁護士からK弁護士を紹介してもらった後だったので心は浮き浮きして明るい気分でした。
留守の間に先日お見舞いに行った元同僚教授/友人の奥様から電話があり、今日は友人は午前中にお風呂(週2回の)に入れてもらって血流がよくなったせいか、少しだけでも声が出せるようになったので、車椅子を押して裏庭に連れ出し、草木を見せて外の空気を吸わせたとのこと。携帯電話を通して友人の声を私に聞かせようとしてくれたのですが、あいにく私は江戸川堤防を走っている最中でしたので、友人をよく知っている妻が代りに声を聞いたようです。夕食後奥様に電話をしてみたら、今日は夫と会話ができて、自分が食堂から帰ろうとしたら車椅子から手を振ってバイバイをしてくれたと嬉しそうでした。長年連れ添った夫婦ですから、会話が一方通行ではなく、病気で寝たきりになった夫が不自由な言葉でも反応を示してくれたことがよっぽど嬉しかったのでしょう。
昨日は新聞の広告を見て、駅前の本屋で五木寛之箸「新・幸福論-青い鳥の去ったあと-」ポプラ社を買ってきました。私はこの頃は専門書以外はほとんど読まないのですが、市橋君のこれからの人生にも関連して人間の幸福とは何かを少し考えてみたいと思ったからです。