2012年5月28日月曜日

菅野弁護士の事務所を訪ねて、菅野弁護士・山本弁護士から判決のことや今後のことなどについてお話を伺ってきました。

1.頸を圧迫して死に到った場合は、本人に殺意はなくても、致死には3分以上圧迫し続けることが必要ということで自動的に殺意があったと判断されるのかということについて-包丁で腹部(心臓)を刺したり、石で頭部を殴ったりするのと同様に、本人に殺意はなくても死ぬことが予測される行為なので、殺意があるのと同等とみなされるようです。本人の感覚としては1分以上頸を絞めてはいないと主張しても、他の原因が同時に発生して死に到ったという証明はできなかったということのようです。

2.控訴すること自体が、自分の犯した罪を自覚していない、反省していない根拠と見なされて、刑が重くなるのか-控訴自体は認められている権利だが、虚偽の証言をして刑を軽くしようとすることは反省していないと見なされるようです。私は市橋君が面会の時に私に言った言葉「自分としては全て正直に話したつもりです」を信じますが、それらを証明できないという不幸があったような気がします。例えば、手記の印税を被害者弁償金にあてようとしたことは、彼にはそれしか被害者弁償をする方法がなかったからの筈で、それを刑を軽くしようとした行為で反省していない証拠と見なすのは一方的な気がしました。しかし、リンゼイさんが亡くなった後に市橋君がとった行動-遺体をバスタブに隠そうとしたこと、2年7ケ月にわたって逃走をし続けたこと、整形手術をしてまで逃げ通そうとしたこと-などは情状的に反省の念がないと見なされても仕方がなかったかもしれません。

3.私にお手紙を下さった強姦罪・脅迫剤で服役中の樹月カイン氏の場合、性的犯罪を繰り返して現在は3回目の受刑で、二人の女性を強姦してから2年間にわたって写真を公表すると脅迫してお金を脅し取った罪の刑が懲役13年、先日のテレビドラマのように石で頭部を殴打して人を殺してお金を奪っても懲役13年と比べると、市橋君の無期懲役は重過ぎるのではないか-強姦だけ、殺人だけの場合と違って、強姦して殺人(弁護側の主張は傷害致死でしたが)と2つ合わさると非常に罪が重くなるということのようです。

4.終身刑のない日本の制度では、無期懲役=終身刑で釈放されることはほとんどないと思い込んでいましたが、実際には25年~30年服役後に仮釈放の対象になるかどうかの評価(審査)が行われるということのようです。また、国家的な慶事があれば恩赦によって減刑されることもあり得ますので、現在33才の市橋君(昭和54年1月5日生)が60才前後になって仮釈放される可能性がないわけではないということのようです。

5.ただ、その年齢で社会復帰しても、私はもちろんこの世にはいない可能性が高いですし、ご両親も年齢的にどうか不明ですので、生活は厳しいことが予想されます。

6.市橋君がどこの刑務所で受刑しているかは、弁護団にもわからないそうです。親族(ご両親)だけは、法務省に問い合わせれば教えてもらえるようですが、もし市橋君が誰にも知らせないでほしいという申し入れををしていれば、親族にも知らされない可能性があるとのことです。山本弁護士が最後に接見した時に受けた印象では、誰にも知られずに罪の償いをしようと覚悟を決めているように見えたとのことですので、しばらく時間が経って(何年になるかはわかりませんが)、本人から手紙を出してくれるようになるまでは支援のしようがないようです。

7.私達が提供した支援金、支援者が個人的に弁護士事務所に届けた支援金などの預り金明細書(使途内訳)をいただきました。収入から支出を引いた残金が、1,275,692円あります。残金の処理方法については、本ブログで支援者の希望を伺ってからお伝えしますということにしました。3つの案が考えられると思いますが、振り込んで下さった支援者の皆様のご意見をお知らせ下さい。1案:千葉県弁護士会に寄付をして、取り調べ段階の被告人や弁護人のいない被告人の弁護活動に使っていただく、2案:市橋君が社会復帰する時の生活資金として口座を作って保管しておく、3案:日本財団の犯罪被害者救済基金に寄付をする。2案の場合は、私以外にも支援者の中から複数の方々にも参加していただいて、目的が果たせるようにきちんとした管理方法を考える必要があります

            (以下に預かり金明細書を添付します)