2012年6月13日水曜日

昼休み東京農業大学の周囲をジョギングして、シャワーを浴びて桜丘アリーナと呼ばれる体育館を出たら、週刊文春の記者から約束の時間より少し遅れるとの電話がありました。研究室で、コンピューターに詳しい元学生が推薦した買い換え用のノートパソコンを検索していたら、記者が到着し、「真相開封-昭和・平成アンタッチャブル事件史」(「文藝春秋」編集部編)文春文庫(2012年6月10日発行)という3日前に発売になったばかりの本を持ってきてくれました。
月刊「文藝春秋」が昨年の12月号に組んだ大型特集に、本年2月号に掲載された記事を追加して加筆修正したものとのことですが、「はじめに」に記された新人記者の述懐には、月刊誌にしても週刊誌にしても、記者たちが自問自答しながらも地道に取材の努力をして、事実を読者に伝えようとしている姿を訴えていました。
市橋君の事件に関して取材を受けた私の記事も再掲されていました。雑誌はすぐ店頭からなくなりますが、文庫本の形になればいつまでも残りますので、後から興味をもった読者も入手できます。


先月28日に菅野弁護士・山本弁護士とお会いした時の様子をお話し、現在市橋君がどこの刑務所で受刑しているかは弁護団も私もわからないことを伝えました。支援金の残りは、多くの支援者が約30年後に市橋君に仮釈放の機会が与えられた時のための生活資金として残してほしいという希望だったのでそうするつもりだが、どういう形でそれを実現できるかはもう少し検討するつもりだと伝えました。
月刊「文藝春秋」12月号に記事が掲載され、その後私と手紙のやりとりをした樹月(きづき)カイン氏の訴え(受刑者は単に刑期が過ぎるのを待っているだけで、本当の意味の更生プログラムがない)と、今月10日に大阪で起きた無差別殺人事件の礒飛(いそひ)京三容疑者が5月24日に新潟刑務所から出所したばかりで、食べることと寝る場所を見つけることに必死で、結局追い詰められて自殺する代わりに死刑になるために殺人をしたという信じられないような悲惨な事実との関連性について話題にしました。受刑者の社会復帰後の再犯率が高いという問題点について、法務大臣が記者会見で検討を始めると言っていましたが、ジャーナリズムの仕事として週刊文春でも受刑経験者を含めた対談などで問題を社会に訴える企画をしたらどうかと提案をしてみました。当然、記者の一存でどうこうできることではないことはわかっていますが・・。