2012年6月12日火曜日

今日は東京で木材保存剤等性能審査委員会の平成24年度第1回安全性部会が開催され、私も委員として出席しました。申請された6件の防腐・防蟻剤の安全性について厳しく審査し、疑問点や、不足しているデータや、必要な注意書き等について指摘しました。

新潟県胎内(たいない)市の海岸沿いには国道113号が走っていますが、胎内市とその南側に位置する新発田(しばた)市との境には市境を示す標識が立っています。ヘリコプターでスミパインMC(有効成分は有機リン殺虫剤のフェニトロチオン)という薬剤の散布を続けてきた新発田市側では、松くい虫被害からしっかり守られて見事な松林が存在していますが、過去4年間散布を中止した胎内市側では、松は松くい虫の被害でボロボロになってまるで松の墓場みたいな様相を呈しています。
胎内市の担当者も地元の住民も事の重大性に気が付いて、今年からヘリコプターによるスミパインMCの散布を再開しました。そこで私たちは、散布された薬剤の飛散状況を調査して、周辺住民への健康影響の可能性や、周辺の畑に存在するタバコその他の作物への影響の可能性を推定する研究を実施しました。気中濃度は通常日本人の平均的鼻の高さ(地上1.5m)で測定しますが、今回はそれに加えて樹冠部での気中濃度や落下量の測定もしました。松の枝葉の上は、伸縮自在の物干し竿の上端に100円ショップで買ってきた紙製のシフォン型(ケーキを作る枠型)に、小型ポンプと接続したカートリッジ(大気捕集用)とろ紙(落下薬剤捕集用)を固定するという簡便な方法を工夫しました。

明日は、週刊文春の記者が市橋君の事件の件で取材に来られる予定です。