2012年6月16日土曜日

以下は昨夜支援者から届いたお便りと、私から差し上げた返信です。
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今晩は。毎日ブログ拝見しています。新潟県胎内市から戻られた日のブログに、少し睡眠不足と疲労気味と載っていましたが、翌日のブログでは午前中にジョギングされたと拝見し、凄いと思いました。本山先生の体力と気力を見習いたいです。
一昨日は、週刊文春の記者の方とお会いされ、対談の企画も提案されたそうですね。市橋達也さんに関しての取材は、記事になりそうでしょうか? 山本弁護士さんが最後に接見された際に、誰にも知られずに罪の償いをしようと覚悟を決めているように感じたそうですとブログで拝見致しました。山本弁護士さんからは、上告をしないと決めた彼の考えや気持ち、受刑を前にしての心境や様子など、他にもお話はございましたでしょうか?
週刊文春の記者の方が求めているような事件の真相を知ることは難しいですが、前回の文藝春秋の記事も、他の週刊誌のような興味本位の内容とは違いましたので、市橋達也さんと繰り返し面会された本山先生や弁護士さんが感じ取られた彼の実像から、事件の真相を考えられるような記事になればと思います。
もし損害賠償請求された時は、山本弁護士さんが弁護を引き受けられるようなお話しは、ありましたでしょうか? 弁護士費用につきましては、事前に市橋達也さんとお話しされて心配はないかと思いますが、用意出来るのかが気になります。
支援金の残金の処理方法は、3案の中で市橋達也さんの仮釈放の機会が与えられた時の為の生活資金として考えて頂けていると伺い、保管方法など難しい問題が有りますが、どうぞよろしくお願い致します。ご両親に保管のお願いが出来れば一番良いのではないかと思いますが、ご両親にご負担が掛かったり、彼とは関わらない姿勢なので断られる可能性も有ります。支援者のメッセージも反対のご意見も有りましたが、本山先生はどのように思われますか?
ご両親にマンションの鍵を返される時に、彼の収監先を伺って頂けるとの事でしたが、もう返却はされましたでしょうか? 彼は受刑者となり裁判には関わりはなくなりましたので(民事訴訟があるかも知れませんが)ご両親のお気持ちも変わり、お返事頂ける事を願っています。
来週はお孫さんが2年ぶりに来られるそうで、今から楽しみですね。

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本日(6月15日)のブログ拝見致しました。市橋達也さんも、菊池直子容疑者、高橋克也容疑者も、身柄確保時は、3人共あっさり本人と認めたのが普通に考えると不思議です。あれだけの逃亡をしたのですから、何か抵抗や上手く繕って逃げそうな感じがしますが…やはり、それだけ肉体的にも精神的にも追い詰められ疲れ果て、覚悟を決める時が来るのかも知れないですね。お花の写真、きれいで可愛かったです。
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2012.6.15
〇〇〇〇様
久し振りのお便りありがとうございました。今日の講義が済んだら私の方からメールを送りたいと思っていました。菅野弁護士・山本弁護士との面会は1時間くらいでしたが、いろいろな話をしました。私と会う前に弁護団会議を開いて、市橋君の弁護活動の総括と、何故判決があのようになったかの解析や反省があった筈です。私と会った時にはもう弁護団は解散して、市橋君の事件は過去の問題になっていたのだと思います。事件の真相・深層については話題にしませんでした。一番市橋君に対して親身になって接して下さった山本弁護士でも、市橋君とそこまでの会話はできなかったのかもしれません。元教員-元学生の関係の私でも、事件の真相・深層に踏み込んだ会話はできませんでした。結局、市橋君の心がそういう会話ができる状態にまでなっていなかったのだと思います。
事件当日の朝まで彼の部屋にいた当時お付き合いしていた年上の彼女がいて、恋人のような生活をしていたにもかかわらず、何故リンゼイさんにあのようなことをしたのか・・。彼女とのことは両親に話せず、英語の試験で十分な点が取れずに、お父さんからは月末までに家を出て自活するように言われていたという状態で、自暴自棄になったのかもしれません。あるいは、若い男性の本能として、魅力的だったリンゼイさんに性的に惹かれて、しかも4階の自分の部屋の中に入ってくれたことで彼女も自分に気があると誤解をして強引に行動をし、強く抵抗をされたので終わってからどうしていいかわからずにパニック状態になって判断力を失ったのかもしれません。リンゼイさんの顔を2回殴った(彼の証言では強姦するためではなく、強姦後バスタブの中で監禁している時に)という事実は、判断力のない心神喪失状態だったのだと思います。いずれにしても、他人には想像しかできませんので、いつの日か市橋君が落ち着きを取り戻して自ら自分の行動を冷静に見つめ直して、何故そんなことをしたのか語れる日がくるまで待たなければならないのだと思います。
〇〇〇〇氏(週刊文春の)が私に会いに来た主な目的は、文庫本(「真相開封-昭和・平成アンタッチャブル事件史」文春文庫)を渡すことでした(本山:この本の<はじめに>にある若き日の記者の述懐は、私のところに来られた記者自身のことかどうかはわかりませんが、犯罪加害者やその家族を取材する時の葛藤がわかり、読み応えがあると感じました)。原稿の締め切りが月に1回だった月刊誌から月に4回の週刊誌に移って、じっくり取材をして企画を考える時間的余裕がなくなったのかもしれませんが、本間 龍氏も含めた対談の話もしてみましたが、具体的にはそれ以上進みませんでした。文藝春秋の編集部員は15人だったのが、週刊文春の編集部員は55人だそうです。それだけ記事に追われているということかもしれません。読者の興味を惹いて雑誌の販売部数増加につながるという自信のある企画でなければ編集長に提案できないのかもしれません。ただ、市橋君が千葉拘置所で描きためて三宅弁護士に宅下げしたスケッチについては、かなり興味を示していました。本は山本弁護士に宅下げし、衣類は菅野弁護士に宅下げしましたが、いずれ処分して得られる若干のお金をどうするのか私にはわかりません。スケッチについては、出版すれば多くの人々の注目を集めて、手記と同じように売れると思いますが、それだけで本にできるだけの数量があるのかどうかもわかりませんし、三宅弁護士の一存でそれを許可できるのかもわかりません。市橋君の了解を得ようにも、今はどこで受刑しているのかもわからない状態ですから。いずれ、市橋君が事件の真相・深層について書くことがあるとすれば、それと合わせてスケッチを出版することも考えられます。
マンションの鍵の返還について、まだご両親にお手紙を差し上げていません。時間がありませんでした。もしかしたら、この週末に書けるかもしれません。支援金の残金の取り扱いについては、犯罪被害者救済基金にという意見もありましたが、今から30年前後に市橋君が仮出所できる時の生活資金にというのが大半の方の意見でしたのでそうしようと思います。私自身は、千葉県弁護士会に寄付をして弁護人のいない被疑者・被告人の弁護活動に使ってもらうのがいいのではとも考えましたが、支援者のお気持ちを尊重したいと思います。それと最近起こった事件(出所して間もなく、食べることと寝る場所を確保するのに疲れて、自殺する代わりに殺人をして死刑にしてもらおうとした)も、市橋君に同じことが起こらないように社会復帰できた時の生活資金を少しでも確保しておいてやりたいという気にさせました。いずれ、友人の弁護士にも相談してみたいと思っていますが、今までのゆうちょ銀行の適正な裁判を支援する会の口座を閉鎖して、新たに更生を支援する会の口座を市橋君の名義で開設して、達也という名前の印鑑を作って登録し、その印鑑をご両親に保管していただくのはどうかと考えています。市橋君が出所する前にご両親が亡くなることがあれば、市橋君のお姉さんなり親族に遺言をして印鑑を保管していただいて、市橋君が出所した時に口座番号と一緒に渡していただくという考えです。本人以外の人間が市橋君の名前で口座を開設できるかどうか、弁護士に訊いてみないと私にはわかりません。
もっと書きたいこともありますが、夜も更けてきましたのでまたの機会にします。お休みなさい。
本山直樹

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今日は車で2時間ちょっとかかる茨城県那珂(なか)市の種苗園に行って、確保しておいていただいた松の小さな苗木を50本受け取ってきました。新潟県や千葉県だけでなく、茨城県の大洗海岸の松林も松くい虫の被害で酷い状況だとのことでした。昨年は松くい虫に加えて特に東北地方では津波の被害で松林が崩壊し、抵抗性クロマツの苗の需要が急増し、供給が間に合わないようです。小雨の中を苗木を育てる圃場を改めて見せていただきました。松ぼっくりから取り出した種を植える圃場、芽が出て間もない稚苗を密植して育てている圃場、ある程度の大きさになってから掘り起こして植え直して小さい苗に育てている圃場・・、と最低でも3年はかかるようでした。
その他に、花粉のでないスギ(杉)やヒノキ(檜)の苗を育てている圃場もありました。