2012年7月20日金曜日

千葉大学園芸学部の「食品安全ビジネス論」では、私も農薬分野で1回担当しましたが、今日が講義の最終回で、(独)日本原子力開発機構の研究主席小林泰彦先生の「食品の放射能汚染と安全性」でしたので、私も一番後ろの席で聴講しました。
しっかりした資料を配布され、放射能と放射線の違い、自然界の放射線、外部被ばくと内部被ばく、リスクの概念、被爆の影響、放射性物質の食品基準、食品の放射線照射の有用性、風評被害問題、・・等々、難しい内容を専門外の学生(大半は園芸経済学科の学生と社会人)に分かり易く講義して下さいました。原子力発電所の事故があった福島県産の農作物について、コープ福島の放射性物質測定結果からも科学的には安全であると証明されていても、安心できないと言われるところは、農薬の風評被害と全く同じ状況だなと思いました。
安全基準値にしても、安心感のためにさらに厳しく設定したり、自分たちの流通している商品を差別化するためにそれよりもさらに厳しくしたり、そのために生じる負の影響については責任をとらない・・。まともな農業をやって安全な農作物を生産している人たちを批判して、無農薬や有機栽培を商品の差別化に利用しようとしている人たちとよく似ているなと思いました。

私から見ても最高の講義だったにもかかわらず、社会人が前の方の列に座って熱心に聴講しているのと比較して、学生諸君の多くが後の方の席で顔を机にうつ伏せにして居眠りしている姿にはがっかりしました。単に卒業に必要な単位数を満たすために受講しているのか、就職活動で走り回って疲れているのか、そもそも大学にきて勉強する目的意識が欠如しているのか、恵まれ過ぎていることがかえって不幸なのかもしれません。こういう無気力な若者たちが大学を卒業して社会に出て行って、どうなるのか心配になりました。

猛暑だった昨日と打って変わって気温が下がって涼しくなりましたので、江戸川堤防を14km ゆっくり走ってきました。

孫のAiden(叡伝)とAika(愛夏)が行っている小学校は今日が夏休み前の最後のクラスだったらしく、それぞれクラスのお友達一人一人がメッセージを書いてくれたアルバムをもらってきました。今月末にはアメリカに帰国して、秋学期にはもう会えなくなることを子供たちも知っているので、「来年また来て同じクラスになれたらいいな」と書いてくれた人もいました。日本人の子供たちにとっても我が家の孫たちにとっても、短い期間でしたがこうして交流できたことはいい経験になった筈です。