2012年9月26日水曜日

こちらは今日も気持のいい秋晴れの一日でした。RTP(Research Triangle Park)と呼ばれる研究学園都市にあるNIEHS(National Institute of Environmental Health Sciences 国立環境健康研究所)に勤務している友人のBuck Grissom 博士を訪ねました。1982~1983年に私がノースカロライナ州立大学で客員教授をしていた時に、私の研究室のゼミにポストドク(博士研究員)として参加していた人です。昼食はいつもどうするのかと電話で訊いたら、家からサンドイッチを持ってきてオフィスで食べるというので、私もファーストフーード店に寄ってチキンとフレンチフライ(フライドポテト)とサラダと飲み物を買って持っていって、一緒に食べることにしました。
彼のオフィスが入っているビルは空港と同じように入り口に厳しいセキュリティチェックがあります。受付で彼を呼んでもらって、一緒にエレベーターに乗りました。
MCS(Multiple Chemical Sensitivity 化学物質過敏症)について、その後どれだけ研究が進んだか机上のパソコンで検索してもらったら、膨大な文献がでてきたので、論文タイトルとアブストラクト(摘要)に目を通して、重要そうな論文をいくつか選んで私のメールアドレスに転送してもらいました。日本も国立感染症研究所あたりではそういう仕組みになっているのかもしれませんが、特定のキーワードを入力して論文を検索して、アブストラクトや論文全体をすぐ読んだりハードコピーがとれるというのは便利で、情報技術の発達はたいしたものです。
久し振りに会ったので、研究以外の分野でもいろいろな話題についておしゃべりをしました。太平洋戦争は、日本の侵略戦争で日本が真珠湾攻撃を仕掛けたことで始まったことになっているが、本当はアメリカ側がそうさせた(輸入に頼っていた日本の石油の供給を止めて)のではないかと思うがどう思うかと訊いてきました。第二次世界大戦は戦勝国側にとっては正義の戦争となっているが、実際はヨーロッパの国々(スペイン、ポルトガル、オランダ、イギリスなど)が先にアフリカやアジアや中南米を侵略して植民地化して、遅れて発展してきたドイツや日本が植民地を求めて衝突した経済戦争だったのではないかという私の意見を伝えました。ニュールンベルグ裁判にしても、東京裁判にしても、結局は戦勝国が敗戦国を裁いた裁判で、国というのはいつの時代でも自分に都合のよいことしか国民に伝えないという点で意見が一致しました。
彼の家族はジョージア州のアトランタに住んでいて、奥さんはイタリア系の女性でPhysical Therapist (物理療法士)として働いているが、潔癖症で彼が毎日下着を変えないと怒るのでやりきれないと奥さんの悪口を披瀝し始めました。私の妻も全く同じだよと言って、この点(そういう奥さんを持った男の苦労?)でも意見が一致しました。本当はそういう奥さんに感謝しているくせに、国を問わず男は勝手なものです。
彼は69才なので私とほとんど同じ年代ですが、現在の仕事に飽きて(疲れて?)、10月1日付けで退職するとのことでした。

先日取材を受けた信濃毎日新聞の松枯れに関する記事は9月27日の朝刊に掲載されるとのことです。日本から時々電話がありますが、私がアメリカに来ていることを知らない場合が多く、時差(マイナス13時間)の関係で真夜中になるので携帯電話はマナーモードにして寝ることにしています。知っている方は、こちらの朝か夜の早い時間になるように選んでかけて下さっているようです。