2012年10月23日火曜日

東京農業大学に久し振りに顔を出しましたら、事務室にたくさんの郵便物がたまっていました。その中に、市橋君に関するものと、答礼人形に関するものがありましたので、ここで紹介させていただきます。
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本山先生、毎日お忙しそうですが体調は大丈夫ですか。以前手紙を出させて頂いた〇〇〇〇と申します。先日(11日)のブログを読ませて頂きました。久し振りに市橋君の名前を見つけ、少し期待して読み進んだのですが・・・。こちらの「想い」がそのままの形で相手に届かないというのは、もどかしいものですね。市橋君の事を家族の様に心配していた方々は淋しい思いをしているのではないでしょうか。K子さんが、どういう考えで市橋君と関わってみえるのかは判りませんが、全て市橋君の為を思っての行動であり、市橋君の未来に良い結果をもたらしてくれると信じたいです。それでもこの先万が一、市橋君の気持ちに変化があって、本山先生に会いたくなった時には、余計なことは何も考えずに素直に甘えてくれる事を願っています。
支援金の件はほとんどお役に立っていない身ですからずうずうしいと思いつつも、菅野弁護士のお気持ちは解る様な気がします。世間の目に触れる事のない特別な場所で、権限を利用して行われている差別やいじめ、それによってまじめに罪を償おうとしている人達が傷ついたり心をかき乱されたり、また、本来与えられている権利が認められなかったり・・・。そういう現状を改善する為に使われるのであればとても有意義なことだと思います。もっともっと他の方々のお気持ちも知りたいと思いました。私としては、これからも市橋君を見守っていきたいと思っておりますので、また何かがあればこの先もブログで教えて頂けるとうれしいです。
呉々もお体を大切になさって下さい。 平成24年10月13日 この手紙がいつか無事にお手元に届きますように・・・
本山:ありがとうございました。しばらく大学に来なかったので、お手紙を拝見するのが遅くなって失礼しました。顔を表に出して活動をすれば当然予想されることではありますが、今でも時々馬鹿げた嫌がらせがありますので、自宅は公表しないことにしています。そのために、郵便物を手にするのが遅くなってしまいます。K子さんは当初支援金を送って下さり、私とのメールのやりとりもありました。確か当時のブログで書いたと思いますが、ご本人のお考えとこの支援する会の目指していた趣旨とは違うと感じられて(自分はお金を騙し取られたのですねとおっしゃって)離れた方です。個人情報ですのでこれ以上は申し上げられません。市橋君との関係がどうなっているかも、菅野弁護士からお聞きしたこと以上は私にもわかりませんし、市橋君自身から連絡がない限りそのままにしておこうと思っています。 
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本山直樹先生
昨年に続き2回目の「ミス香川」青い目の友情交流についてのブログを拝見し、なつかしくなりお便りさせていただきます。
私の母は昨年の暮に85才で天に召されましたが、日本人形を作る一方、青い目の友情交流には深く関わっており、ギューリック三世御一家とも親しく交わらさせていただいておりました。長崎県出身ということもあり長崎たま子の修復や各地の小学校の青い目の人形の修復にもたずさわってきました。昨年、先生のブログでノースカロライナの博物館にミス香川が所蔵されている記事を拝見した時は、母は大動脈瘤の手術後で、この話しを伝えることはしませんでした。
ミス香川は吉徳さんが修復され、おそらく地下に保存されていた市松人形やヒナ人形は、吉徳さんか、久月の現代ものだと思います。1998年に発見され、日本で修復され1999年にノースカロライナに帰されたようです。
同封の絵本は青い目の人形について丹念に調べこの話題を日本にあらためて紹介された、武田英子先生が描かれた一冊です。(数冊残っていましたので・・・) 武田先生は母より数年前に亡くなられましたが、戦時中におこった出来事を記憶にとどめている人達がいるうちに語りつぎたいと、パネル展示を見つかった人形と共にできるよう子供達に向けて尽力されました。昭和を生きた戦中、戦後世代の方々は、今の若い世代とはあきらかに違う歴史観を持って過しておられると思います。ギューリック一世が願った「平和への思いは幼い頃から養われなくては育たない」という思いを、民間レベルで、人形を交換するという行為によって、今の時代にも伝える力を持っていることに感動します。
母の回顧展を11月14日から横浜人形の家でいたします。300体以上創作した作品は国際交流の親善人形としても海を渡っています。一応ご案内を入れさせていただきます。
先生も一時として休みなく動いておられるご様子の中、広く窓口を開いておられますので、不必要な情報も一方的に来ることと思います。私も余計なお世話の一人かも知れませんが、お許し下さいませ。                 God bless you! 2012.10.16 〇〇〇〇〇
本山:素晴らしい情報と、素晴らしい絵本「友情の人形は海をこえて」文:武田英子、絵:うすい しゅん、ドメス出版(1997年)をありがとうございました。ページをめくりながら、胸が詰まりました。青い目の人形と答礼人形にはこんなに深い歴史と、日米両方で関わってこられた方々の努力と思いがあったのですね。私はたまたまノースカロライナの博物館でミス香川に出会って、あまりの愛くるしさに興味を惹かれただけですが、いつか時間ができた時にこの本を英訳してノースカロライナの博物館に渡してあげたいという気がしてきました。お母様が亡くなられる前に一度お目にかかって、お話を伺えればよかったなあと悔やまれます。横浜人形の家での11月14日からの回顧展は是非鑑賞させていただこうと思っています。
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東京農業大学での講義は1年ぶりで、受講生は151人でした。最初はパソコンとパワーポイントプロジェクターの接続がうまくいかなくてスライドを映写できなかったり、途中でマイクの電池が切れて使えなくなったりのアクシデントはありましたが、若い学生諸君を前に、熱がこもりました。