2012年10月24日水曜日

支援者から以下のお便りが届きました。ありがとうございました。
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ご無沙汰しております。先生のブログ、正直言いますと、最近はまとめて読ませていただいています(すみません)。2日前に久しぶりに開きますと、K子さんのことや菅野弁護士からの要請のことに触れて書かれてありました。以前から、私自身すっきりしていないことが出てきた感じで、また想いを馳せております。k子さんは、市橋君から「面会したい人がいるので来てもらってほしい」というようなことを弁護士を通じて言ってきた女性でしょうか(本山:いいえ違います。)
      
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あの上告をするかしないか考える期間、始めは市橋君も上告したい気持ちがあったけど、弁護士は上告しない方向だったし、現実に上告しても「勝てる」可能性がないので、市橋君はあきらめに変わり、最後は支援者も本山先生も上告を薦めたけど、市橋君の上告しない気持ちは頑なでしたよね。あの時期、弁護団と本山先生を含む支援者と市橋君自身の気持ちが、意思疎通が図れず、バラバラな感じがして、何とも歯がゆかったのを覚えています。現実にはK子さんが市橋君の気持ちに寄り添い、弁護団はどうしてもビジネス意識での関係・・市橋君にとって「僕の気持ちはわかってくれない」相手になってしまっていたということでしょうか。不運にも弁護士が薦めた「手記」が、一審であのような判断をされたことは、弁護士にとっても市橋君にとっても大きなマイナスでした(儲けたのは出版社だけ)。(本山:弁護団に裁判の厳しい見通しを言い渡された市橋君が、例え根拠がなくても甘い言葉を告げられれば、一種のマインドコントロールされた状態になって藁にもすがる思いになったことは容易に想像できます。)
私は、まだ若い市橋君が、現在K子さんとは面会することをささやかな喜びとしながら一生懸命服役しているのなら、その方が嬉しいです。ただ、どこでどう間違って、市橋君、彼女、弁護団や支援グループが良い連携を作れなかったか、残念に思います。K子さんと連絡をとって、市橋君の様子を聞くことはできないのでしょうか(本山:市橋君自身が誰にも知られずに服役したいと考えている限り、市橋君の服役している刑務所や現在の様子を探索することは避けたいと思います。)
私は10年以上前、冤罪請求で話題の「無実の死刑囚 袴田巌プロボクサー」の弁護に関わる弁護士事務所で働いていたことがあります。やはり彼女だったか婚約者だったかの女性がいて、その女性が弁護士や外部の人との連絡役にもなり、袴田被告から弁護士事務所にも手紙が届くし、46年も前の事件だけど、一昨年には政治家も救援支援会を結成したようです。市橋君は実際に罪を犯したので、冤罪とは違いますし、また、市橋君の性格上多くの人に心を開くタイプではなさそうですが、それでももっと有益な支援環境を作れないものかと思います(本山:市橋君自身が求めるなら、「市橋君の更生を支援する会」を立ち上げて支援活動をしてもよいというか、積極的にそうしたいと考えています。)
被告への理不尽な扱いや、検察と裁判長の癒着など、今も問題があるのは事実でしょうから、今の市橋君に関係することならば菅野弁護士に支援金を使って頂いても良いと思いますが、何となく支援者の皆様の考えとズレがある気がします。間に立って下さってる本山先生に、またストレスになってはいけませんし、全額ではないのでしょうから、私は本山先生に判断を委ねます。そのうち、市橋君の居場所がわかって、遠い場合は、本山先生には交通費とか必要になりますから、その時はまた支援金募ってください。
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寒くなってきましたので、ご自愛くださいませ。

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今日はある農薬関係会社の社長と東京で夕方5時に待ち合わせ、会食をしました。私ももう70才だからそろそろ農薬問題からも松くい虫問題からも卒業して、何か国際親善や人類の平和に役に立つような仕事をしたいと思っていると話して、支援者から送っていただいた「友情の人形は海を越えて」をお見せし、この本を英訳して出版して答礼人形を保存しているアメリカ側の博物館に送ってあげたいんだという私の気持ちを伝えました。社長は本を手に取って眺めた後で、実は自分の祖父は人形作家で、父(91才)も芸大卒で彫刻と人形を組み合わせた新しいジャンルの芸術作品を創った人間だと話されました。父もこの本に興味を示すかもしれないとおっしゃって、本のタイトルや出版社をメモされました。たかが人形、されど人形で、よくできた人形はまるで魂が入っているみたいで、見る人に温かさを感じさせてくれます。