2012年12月14日金曜日


東京農業大学総合研究所研究会農薬部会の第88回セミナーが「食と農の博物館」であり、今回は2題の講演がありました。
1.「ピリフルキナゾン(コルト®)の創製について」上原正浩氏(日本農薬株式会社総合研究所)
2.「農薬の内分泌かく乱作用に関する諸問題と科学的対応」青山博昭氏(一般財団法人残留農薬研究所毒性部)

上原氏は、大学院時代は天然物化学が専門だったのを、会社に入ってから合成を担当するようになり、ピリフルキナゾンという殺虫剤をどういう発想の過程を経て発明するに至ったかを、たくみな話術で話されました。普段から、異分野の学会に顔を出して自分の基礎を広げる努力をしてきたことと、上司にもう見込みがないから止めろと言われても止めずに頑張り通したことが成功につながったと話されました。
青山氏は、内分泌かく乱活性(いわゆる環境ホルモン)をどうやって検定して確認するか、特に低用量で影響を確認したとされる事例が実は実験動物の遺伝的多形による誤差を拾っただけの場合があると話されました。
お二人の講演ともすばらしい内容で、非常によい勉強になりました。