2013年2月15日金曜日

私からの返信が届かなかった支援者から、携帯メールの設定を変えたら届いたとのことで、以下のお便りが届きました。そんな風に思って下さってありがとうございます。私にとっても、期待を裏切らないようにしっかり生きなければと励みになります。
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本山直樹先生。
再三に渡りお手数おかけして申し訳ありませんでした。
今回は無事にメールを拝見できました。有難うございました。若輩の私がこのような事を申し上げるのは大変失礼な事とは思いますが、先生のような方がおられ、色んなご指導を私達に頂けるから世の中は巧くまわっていくのではないかと思います。
現代は無関心を装う方々ばかりが増え、殺伐とした世界に淋しい想いをする事もしばしばあります。でも先生は違います。何事にも情熱と忍耐を持って日々周りの方々や世の中と関わっておいでです。
市橋さんの事もそうですが想像つかない程にとても嫌な想いもされているとお察ししますが、愛情を持って矢面に立たれ私達支援者の事も配慮してくださっています。本当に頭が下がります。私は先生と出会う事ができ幸せだと思っています。今後とも何卒宜しくお願い致します。
先生、お体だけはお気をつけて。いつまでもお元気でいてください。いつかきっと市橋さんからご連絡があると私も信じて待っております。

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今日は午後3時から東京農業大学総合研究所研究会生物的防除研究会の講演会があり、私も声をかけていただいたので出席しました。3題講演がありました。
1.永井一哉博士(岡山県農林水産総合センター生物科学研究所長)「景観植物を利用した害虫防除技術の開発」
2.Dr. Young-su Lee(韓国Environmental Agriculture Research Division, Gyeonggi-do Agricultural Research and Extension Services)「キイロテントウによるうどん粉病防除」
3.Dr.JunSeck Lee(韓国Osang Kinsect Co., Ltd.)「 韓国における天敵の現状と将来」
この研究会は、農薬を使わない作物保護の方法として生物的防除法を研究している会社や研究者の集まりです。
毒性の高い農薬しかなかったり、農薬に安易に依存し過ぎていた時代には、食の安全(農薬残留がない)や環境に優しい(非標的生物に悪影響がない)作物保護技術を開発するという目的で、生物的防除(天敵を利用して有害生物を制御する)に大きな期待がかけられました。現在は、農薬自体が進歩して食の安全や環境影響は問題ではなくなってしまったので、初期の目的は弱くなりましたが、多様な作物保護の方法が選択できるということは重要なことです。

永井博士の講演は、ナスの害虫ミナミキイロアザミウマを防除してくれるヒメハナカメムシのような天敵が集まってくれる植物の中で、景観植物としての役割も果たしてくれる植物をナスを栽培する施設の側に植えて天敵温存場所を提供するという方法についてでした。
Dr. Young-su Leeの講演は、テントウムシの中には昆虫を餌として食べるもの、植物を餌として食べるもの、微生物を餌として食べるものの3種類があるが、うどん粉病の胞子をどんどん食べてくれるキイロテントウを防除に利用しようという内容でした。
Dr. JunSeck Leeの講演は、韓国政府が天敵技術の発展と産業としての天敵ビジネスを育成することを国家プロジェクトとして強力に支援している現状を紹介しました。国や県や企業がバラバラに生物的防除に取り組んでいる日本の関係者には、羨ましかった筈です。
3題の講演はいずれも大変興味深い、よい内容の講演でした。

面白かったこととして、韓国政府は2013年までに農薬使用量を50%削減するという目標で生物的防除を支援してきたという説明がありましたが、今年が2013年だが目標の達成具合はどうですかという質問に対して、少し顔色が変わって、今年度の終わりに評価されるでしょうと逃げる回答をしていました。何年か前に日本でもゴルフ場の農薬使用量の削減が社会的関心事だった時に、各県が削減実績統計を公表していましたが、製剤量では見かけ上減ったように見えても有効成分量では実質的にあまり変わらなかった(有効成分濃度の高い製剤に切り替えたので)ことを思い出しました。それでも県民には、努力の結果農薬使用量をこれだけ削減したと説明していました。

小雨が降っていましたが、講演会が始まる前に東京農業大学の周りを片手で傘を差しながら4Km ジョギングしました。