2013年2月22日金曜日

胎内市の中条ホテルでの朝食後、車で新潟市に移動し、講演会場の新潟県自治会館に行きました。別館9階の大きな会議室で11:00-12:00に「森を守り育てる-松林に空中散布された農薬の飛散実態-」という演題で講演しました。参加者名簿を見ると、新潟県の森林研究所や林業振興課の職員、各市町村の林業関係部署の職員、林野庁下越森林管理署の職員の他に、昨年有人ヘリコプターで薬剤散布を実施した朝日航洋株式会社の社員もいました。参加者の反応から、私の講演はかなり手応えがあったと感じました。昨年の調査は体力勝負でかなり大変でしたが、こういう科学的な調査結果が現場で海岸保安林を守り育てることに携わっておられる方々に自信と励みを与えられれば本望です。

午後から開催された「海岸保安林整備指針策定に係る受託研究成果報告会・意見交換会」には私も出席しました。新潟県が新潟大学に委託したいろいろな研究課題の成果発表が行われました。最新の解析技術や、森林生態学の知見や、野生動物への影響モニタリング結果など、大学の協力を得ながら海岸保安林の再生を目指している新潟県の取り組みがよくわかりました。
2008年以降の有人ヘリによる薬剤散布中止によってもたらされた松林の壊滅的被害から、地元住民の生存環境を回復するのは大変なことです。無知・無責任な政治的活動で薬剤散布を中止に追い込んでこういう状況を作り出した一部の人々の国民の利益を損なう行為には、心底怒りを覚えます。