2013年8月23日金曜日

PLOS ONE に載っている論文の原報が見つかりました。
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0070182

ミツバチの巣箱を置いた主要7作物の畑というのは、blueberry(ブルーベリー)、cranberry(クランベリー)、cucumber(キューリ)、pumpkin(カボチャ)、watermelon(スイカ)、almond(アーモンド)、apple(リンゴ)のことで、ミツバチが集めて巣箱に持ち帰った花粉を3部分に分け、1部分は花粉の同定に、1部分は残留農薬の分析に、1部分はミツバチに摂食させてノゼマ微胞子虫感染実験に供したようです。
不思議なことにはじめの5作物畑においた巣箱のミツバチは当該作物よりも周辺の雑草や野生の花から花粉を集めていたとのこと。いろいろな観点から統計的な検定をしていますが、一番興味深い結果は、花粉に含まれる殺菌剤(多分複数)の合計残留濃度とノゼマ微胞子虫の感染確率が関係しているという結果でした。普通は、殺虫剤と違って殺菌剤はミツバチに影響がないと思われますが、何らかの理由でノゼマ微胞子虫の感染感受性を高める効果があったということでしょうか。

日は江戸川堤防を2時間歩く運動は早目に済ませて、夕方長期入院している千葉大学時代の元同僚教授/友人のN君を見舞いに行きました。リハビリセンター/病院に着いたら4時半くらいでちょうどドシャブリ(最近の言葉ではゲリラ豪雨?)の真っ最中でした。夕食(5時半から)の前のお茶の時間だったらしく、介護士がN君を車椅子に乗せて、他の患者さんたちと一緒に食堂につれて行ってくれていました。お蔭で私も椅子に座って彼と同じ目線で話ができました。何も返事は返ってきませんが、今日は私がいろいろな話をしている間中私の顔を覗き込むように見つめてくれました。N君、私の言っていることが聞こえているのかと時々言っても返事はありません。ところがしばらくしたら、ウーッとかワーッとか言葉にならない声でしきりにまるで私に話しかけるように声を出してくれました。N君、君の言っていることはわからないよと言いながらもしかしたら何か本当に私に何かを話そうとしているのではないかという気がして嬉しくなりました。
夕食の時間になって介護士(女性)が彼の流動食を水飲みに移して飲み口を口の中に差し入れたら、やっぱり気道に入るらしく激しくむせったりしていました。しかし今日の介護士は、大勢の患者を担当しているにもかかわらずゆっくり少しずつ飲み込ませてくれていました。飲み込むときにN君が目をつぶるので、介護士がN先生「目を開けて」と言ったら、驚いたことにN君はパッと目を開けました。やっぱり聞こえているんだと思いました。入院して長いので自分で腕や手を動かすこともできなくなっていて、記憶も一部失われてつながらなくなって、言葉も話せなくなっていますが、部分的には人の言っていることがちゃんと聞こえて理解できているんだと感じました。
これからも彼の命が続く限りは月に一度は見舞いに行って、返事は返ってこなくても話しかけてあげようと思っています。