2013年12月31日火曜日

気温は低くても、青空で無風の好天気でしたので、昼休みに江戸川堤防を約10Km 歩いてきました。鳩が案内板の上で羽を休めていました。



帰りに駅前のイトーヨーカドーに寄って、マルハの冷凍コーンクリームコロッケが置いてないか冷凍食品のショーケースの中を探してみましたが、全て回収されて残っていませんでした。他社の似たような牛肉コロッケその他を見たら、6ケ入りで144g~168gでしたから、1個当り24g~28gで、値段は1袋300円ちょっとでした。

問題の冷凍食品を製造したアクリフーズ社の親会社マルハニチロホールディングスの社長が記者会見して謝罪する様子がテレビで報道されました。当初、検出されたマラチオンの濃度15,000ppmをLD50値(半数致死薬量)2,800mg/kg (The Agrochemicals Handbook)と比較して、体重20kg の子供が一度に60個のコロッケを食べなければ毒性は発症しないと説明していたのを、厚生労働省の指摘を受けて、ARfD(Acute Reference Dose 急性参照用量)2mg/kg体重/日と比較して、15,000ppmというのは体重20kg の子供がこのコーンクリームコロッケを約8分の1 食べると中毒症状(吐気や腹痛など)を起こす可能性があると訂正しました。
15,000ppmというのは、コロッケ1gにマラチオンが15mg含まれる異常な高濃度です。計算の仕方については、佐賀県の健康福祉本部生活衛生課食品衛生担当のサイトにわかり易く解説されています。
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1019/ki-syoku/_70196/_77025.html

子会社にとっても親会社にとっても苦渋の判断だったのでしょうが、経営トップが対応を誤ったために、約640万袋を回収することの莫大な経済的な損害(1袋300円とすると19億2千万円相当+回収コスト)だけでなく、会社の信頼と冷凍食品の安全性に対する信頼を失ったことによるダメージは測りしれないのではと想像します。検出された濃度をLD50値と比較して安全性を説明するような非科学的な助言を誰が経営トップにしたのか、信じられない思いです。
会社と、そこで働いて家族との生計を立てている大勢の社員に明日から新年を迎えるどころではない、大変な経済的被害と精神的苦痛を与えるこのような食品テロは、卑劣極まる凶悪犯罪です。

マラチオン自体は、害虫によっては抵抗性を発達させて効力が低下している種類もありますが、低毒性・易分解性で作物保護、貯蔵害虫防除、衛生害虫防除に大きな貢献をしている殺虫剤ですので、こういう事件によって風評被害の影響を受けないことを期待します。

今日は大晦日、加齢とともに時間の流れが速く感じます。この1年間の各地での講演・講義、委員会活動、約2週間のアメリカ訪問、約1週間の中国訪問、松くい虫防除で散布された薬剤の飛散に関する調査研究、等々・・。終わってみれば今年も充実していたと思います。妻ともども元気で、子供たちも孫たちも元気に過ごすことができたことは何よりも幸せです。目標を達成できなくて残念なことは、十分なジョギングができなくて、まだフルマラソンを走れるだけの体力回復ができていないことです。

市橋達也君はどこかで元気に服役していると信じています。千葉拘置所にいた時は、お正月には受刑者にも特別なご馳走がでたと言っていましたので、多分明日は時間が1年経ったことを感じるのではないでしょうか。彼の精神と肉体が元気であり続けることを祈りたいと思います。