2013年12月29日日曜日

YAHOOのネットを見ていたら群馬県にあるマルハの子会社が生産した冷凍食品の一部から農薬マラチオンが検出されたという記事が載っていました。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/food_safety/?id=6102181
冷凍ピザ、フライ類、コロッケなどの計20件で異臭がするとの苦情があったとのことで、同工場の生産・出荷を停止し、すでに出回っている全ての商品を自主回収するとのこと。

マラチオンは私自身も研究対象にしたことがある低毒性の有機リン殺虫剤ですが、水の存在下で比較的容易に分解して悪臭のする分解物を生成します。昔、パキスタンでマラリヤを媒介する蚊の防除でDDTの代わりにマラチオンを散布した時に、不良品の製剤に微量含まれていたイソマラチオンという不純物がマラチオンの低毒性の機構(カルボキシルエステラーゼによる解毒)を解除して大規模な中毒事故が起こりました。
今回の事件の詳細はわかりませんが、ピザもフライもコロッケも殺虫剤を散布する対象ではありませんので、何年か前の中国から輸入した冷凍餃子のメタミドホス混入事件の場合と同じように、製造工程で誰かが意図的にマラチオンを混入させた可能性が推察されます。

会社への恨みか面白半分かはわかりませんが、社会にはそういうことをする人間がいるということは情けないことです。