2014年2月21日金曜日

東京農大総合研究所研究会の一つである生物的防除部会の平成25年度第三回講演会があり、私も参加してきました。中央農業総合研究センターの長坂幸吉氏が「天敵アブラバチ類の利用と課題」という演題で、宮崎県庁農政水産部の黒木修一氏が「IPMにおける微生物農薬の利用法」という演題で、それぞれ1時間ずつ講演をされました。天敵は一般に施設栽培の害虫防除に使われますが、餌になる害虫がいなくなれば天敵も存在できないという問題を回避するためにバンカー法(天敵銀行)という方法が使われます。長坂氏の講演は、その成功例、失敗例、農家に普及するにはどうしたらよいかなどについて現場の豊富な経験に基づいた内容でした。黒木氏はたくみな話術で、微生物農薬は化学農薬と混用することで防除効果が増大するという面白い例を紹介し、やはり農家にどのようにしたら普及できるかについて実経験に基づいて提案していました。お二人の講演とも大変勉強になりました。もっと大勢の植物保護分野の研究者や学生たちに聴かせたい内容でした。