2014年9月5日金曜日

昨日のネットのニュースで、岐阜県で3日に多くの子供たちが訴えた目の充血の原因はイネ科植物の花粉症とありましたが、今日の朝日新聞朝刊には「かゆみ・充血 児童ら2580人に目の異常」という見出しで記事が掲載されていました。私が気になったのは、昨日は430人だったのが、4日も2150人が目のかゆみや充血を訴えたので、2日間の合計が2580人に上ったということ。その原因としては、3日にイネ科の花粉の飛散が確認されたことと、無人ヘリコプターによるの農薬散布などは確認されていないことなどから、イネ科の花粉によるアレルギーの可能性が疑われるとのこと。

http://www.santen.co.jp/al/al_ine1.html によると、イネ科植物で3~7月に花粉症を起こすのはカモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤ、ホソムギなどで、8月下旬~9月上旬に花粉症を起こすのはイネ、エノコログサ、オヒシバ、イタチガヤ、ススキなど、となっています。イネはすでに開花の時期は過ぎて今は収穫の時期ですから、これが今回の花粉症大量発症の原因とは考えにくい気がします。
この他にも、9月に花粉症を起こす植物として http://ddmap.jp/sp/kafun/tokucho/ キク科のブタクサとヨモギもよく知られています。

2008年5月26日に島根県出雲市で子供たち473人が目のかゆみなどを訴えたのが、調査を続けるうちに2000人を超える人数になったのとよく似ています。その時はたまたま松くい虫防除でヘリコプターによる農薬散布が行われた日と重なったために、因果関係を示す証拠は一つもなかったにもかかわらず、農薬が原因である可能性を否定はできないとされてしまいました。
実際には、昨日も言及しましたように、その後の私たちの調査結果から5月26日は通学路に繁茂していたイネ科雑草の花粉の飛散のピークと一致していたことから、花粉症が子供たちの目のかゆみの本当の原因だった可能性が大きいことが明らかになりました。
今回はたまたま同じ日にヘリコプターによる農薬散布が行われていなかったので、最初からイネ科植物による花粉症が原因と疑われたのでしょう。しかし、キク科植物のブタクサやヨモギも原因の可能性がありますので、やはり飛散している花粉を捕集してどの植物の花粉か同定をし、さらにその植物が子供たちの通学路に実際に繁茂しているかどうか確認することが原因を特定するには必要な筈です。

この辺りの水田ではすでに稲刈りが終わって、ひこばえ(切り株から出てくる若い芽)が生えているところもあります。