2014年10月15日水曜日

朝起きたらあいにく小雨が降っていましたが、Regency Parkの池の周りの遊歩道の1本だけ枯れている大きな松の木のところでCary市の樹木専門家のKevin L. Steed氏と9時半に会う約束でしたので、手斧やドリルなど必要道具を袋に入れて、ジャンバーを着て帽子をかぶって待っていました。大きな木の枝葉の下にいても全身がかなりずぶ濡れになってしまいました。5分ぐらい遅れてケビンさんが到着して遅れたことを謝りましたが、全く問題ないと答えて握手しました。枯れた木を見せて、樹皮を剥いでドリルで穴を開けて材片を採取し、マツノザイセンチュウが分離できるか調査したいのだがと説明したら、どうせこの木はすぐ伐採するので手斧で傷をつけても全く問題ない、むしろ私の調査の結果を教えてほしいと言われました。そこで早速作業に取り掛かり、採取した材片をチャック付きのポリ袋に入れました。
Cary市には近くにHemlock(ツガ)という木の林があるが、虫害対策でジノテフランという殺虫剤を浸透促進剤と混ぜて幹に散布処理をしているとのことでした。ジノテフランは日本の三井化学が開発したネオニコチノイド剤で浸透性があるのだと話をしたら、ミツバチに対する影響が指摘されているがどう思うかと訊かれました。ネオニコチノイド剤がCCD(蜂群崩壊症候群)の原因と証明されたわけではないし、木の幹にそういう使い方をするのだったら全く問題はないのではと答えておきました。後で気が付いたのですが、Hemlockという木に花が咲いて、ミツバチが蜜を集めに訪れる木かどうか知らないので、一度調べてみる必要があるなと感じました。
もし材片からマツノザイセンチュウが分離・検出されて、アメリカの松は抵抗性の可能性が高いということがわかれば、種子を入手して日本に持ち帰り、センチュウを接種して抵抗性の検定をして、日本の環境でも生育できるか試験をして、よければ松くい虫の被害で消滅した日本の海岸の砂防林をアメリカの松で再生したいと考えていると伝えました。松の種子をどこで入手できる教えてほしいと伝えたら、誰に接触したらいいかメールで知らせてもらえることになりました。また、私が滞在している間に伐採する時は、樹皮を剥いだり割材してどういう害虫が潜入しているか調べたいと言ったら、多分1週間以内には伐採するので日程が決まれば知らせると言ってくれました。こんな大きな松の木をアメリカではどうやって伐採するのか見学できるのも楽しみです。サウスカロライナ州のラリー君の話では、パルプの原料の松の伐採は、乗用の大きな機械を持ってきて、幹の部分を機械のハサミで挟んで固定して、根元の部分に円盤型の回転する鋸の歯を押し当てて、瞬時にズズッと伐採してしまうとのことでした。
雨の中を待った甲斐がありました。これからアメリカの松や松枯れ問題について情報交換できる人が見つかったので大収穫です。次は、日本の植物検疫上、松の種子を持ち帰るのにどういう手続きが必要かを調べることです。

午後から雨が上がったのでLake Johnsonに行って、1/4マイル(=400m)ごとにジョギングとウォーキングを交替して1周(3マイル=約5Km)してきました。モーテルにはMargieさんが来て、アメリカ南部の料理を作って食べさせてくれました。明日から3日間はMargieさんは来れないので、自分で食べるものを考えます。減量のチャンスです。