2014年11月24日月曜日

宿泊した中条(なかじょう)グランドホテルから朝8時にS博士を迎えに行き、調査の打ち合わせをしました。昨日の荒井浜森林公園の西端(胎内川隣接地点)の調査にかかった時間から推測して、残り4ケ所は無理かもしれないので、午前中に2ケ所(無人ヘリコプター散布区と無散布区)を調査して、午後は森林公園の中央部(国道113号線沿い、その内側、海側の林道沿い)を調査して時間が残れば昨年と同じ森林公園の東端を調査することにしました(実際には時間は残りませんでしたので東端は諦めました)。午後4時になると少し暗くなって枯死木かどうか判断し難くなることがわかったからです。

長靴を履いて、タラノキ(タラの芽は山菜)の硬い棘(とげ)に引っ掻かれながら、倒木の上を跨(また)いだり、藪(やぶ)を払いのけたりして1本1本マツの幹の胸高円周を巻尺で測って枯損状況を記録していくのは重労働でした。森林公園国道側から約10mの範囲の林縁部の太い木は全部殺線虫剤(GG・NEO=グリンガード・NEO=酒石酸モランテル20%)が樹幹注入されていました。
無散布区には昨年調査した国道113号線の陸側の丘の隣の丘を選びましたが、松くい虫被害で多数のマツの大木がすでに伐倒駆除されて疎林になっていました。
無人ヘリコプター散布区の内(陸)側にはネギ畑と大根畑がありましたが、かなり深いところまで砂地でしたので、マツの砂防林ができるまでは何百年・何千年にもわたって砂丘地帯だったことを想像させました。調査結果は詳しく解析してみないと確かなことは言えませんが、有人・無人ヘリコプターとも予防散布実施林分の枯死木の割合は昨年に比べると明らかに減少している印象でした。

内陸部の稲刈り後の水田には白鳥の群れが飛んできて落穂ひろいをしていましたが、私が車から降りてカメラを向けると首を長く伸ばして警戒姿勢をとって、飛び去ってしまいました。S博士が勤務している肥料工場のすぐ前には胎内川が流れていて、堰(せき)の上流側の浅瀬には海から遡上した鮭が何尾もいて、尾びれを川底に打ち付けて深みを作って産卵し、雄が精子をかけて受精させるという産卵行動をとっていました。産卵後は力尽きて堰の下流に流されて底に沈んでいる死体が何体もありました。子孫を残した後、死体は死体でカラスその他の生物の餌になって利用されるのですから、植物も動物も循環していることを認識させられます。

予定通り4時にS博士と別れて帰路につき、5時に新潟駅でレンタカーを返却し、5時20分発の新幹線MAXとき340号に乗って上野で降り、松戸に帰ってきました。
日曜日と振替休日(勤労感謝の日)の月曜日を利用した一泊二日の短期間の調査でしたが、大体計画した通りのデータ収集ができました。連休を2日間にわたって調査を手伝ってくれた私の千葉大学勤務時代の卒業生S博士(中国からの留学生)のお蔭です。これからのデータ解析が楽しみです。

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