2014年12月16日火曜日

先日の農薬工業会主催の虫供養で同席して名刺交換をした外資系農薬企業の社長の依頼で同社を訪問し、意見交換とその後の会食をしてきました。同社を訪問するのは初めてでしたが、東京駅近くの巨大なビルの中にあり、長さが100mはありそうな大きな部屋にコの字型の衝立(ついたて)で仕切られた机が無数(多分100以上)に配置されていました。部署ごとの管理者には個室があり、社長室はひときわ広い部屋で、そこで日本人の幹部数人も加わって話し合いをしました。同社では農業の活性化のために、2015年8月24日~28日にオーストラリアのキャンベラで第2回世界若者農業サミット"Feeding a Hungry Planet"(地球レベルでの食糧安定供給について)を開催予定で、世界各国から農業の未来を担う100人の若者を招く計画のようです。
www.youthagsummit.com
日本からも18~25才の若者を対象に募集する英文エッセイにより3人を選抜するとのことで、私も審査委員の一人として加わるように依頼されましたので、喜んで引き受けました。
何人の応募があるかわかりませんが、多ければ第一段階選抜で選ばれた人を対象に第二段階選抜で3人に絞ることになるかもしれません。多分、英語でのプレゼンテーションもあるでしょうから、どういう若者が日本代表で選ばれるか楽しみです。

ドイツ人の社長は海外勤務が長いらしく、アメリカに10年暮らした私とは話が合うことが多く、楽しい時間を過ごしました。欧州連合(EU)の将来についてどう思うかという質問には、何を訊かれているのかわからず、ちょっと驚きました。私なりに人類の再融合の試みと勝手に解釈し、エチオピアから人類の先祖が世界中に広がって、定着した場所ごとに地理的隔離が起こって、異なる人種や言語や国家や文化ができ、戦争によって勢力を拡大するようになったのが、ヨーロッパでは逆に再び融合の動きがでてきたのは素晴らしいと思っているという私の見解を伝えました。ただ、西ドイツと東ドイツが統一された時のように、経済的に豊かな国が貧しい国の負担をしなければならないので一時的には不満が募るだろうが、いずれはそれも解消して同じ人類として、戦争のないよい社会ができるのではと期待していると答えました。

彼の質問の本意はそういうことではなく、EUではいわゆる緑の党(Green Party)と呼ばれる勢力が強くなり、農業でもOrganic Agriculture(有機農業)を強く推進しているので、農業が衰退して人口を養うだけの食糧生産ができなくなることに対して私の意見はどうかという意味だったようです。
第二次世界大戦中の1942年生まれで、1945年の終戦(敗戦)で3才で朝鮮から日本に引き揚げて食糧難の時代を経験してきた私の立場は、有機農業しかできなかったあの時代に逆戻りすることなどとんでもないということです。