土浦拘置支所に窃盗の罪で収檻されているA氏から聞いた住所をカーナビに入力して、お母さんの住んでいる実家を訪ねてみました。往きは渋滞もなく2時間弱でしたが、帰りは2時間半以上かかりました。
田舎の農村地帯でした。カーナビが示した場所に車を止めて、念のために電話をしてみたら長い時間鳴った後で誰かが受話器をとってくれたので、やっと話ができました。私が来た目的をいくら説明しても話が通じず困りました。しばらくしたら、自分は使用人なのでこの家の人と代わりますと言われて、代わった人はA氏の姉さんでしたのでやっと話が通じました。
私が誰で、A氏とは面識も何の関わりもなかったのに、A氏が収檻されているつくば中央警察署と土浦拘置支所から突然手紙をもらった(多分弁護士の勧めで)ことを説明し、A氏からお母さんが自殺しかかって心配だから私に連絡をとってほしいと頼まれたので、ちょっとだけでも会っていただけないかと打診しましたが、結局もうほっといてほしいというニュアンスの返事でした。姉さんとお母さんは一緒に暮らしていて、お母さんはA氏の今回の顛末(てんまつ)でショックを受けて精神的に高ぶってしまったけど、近くの病院で精神安定剤を処方してもらって、今は安定しているとのことでした。
姉さんもお母さんも、もう何年間もA氏がどこに住んでいるのかも何をしているのかも知らず、毎回事件を起こして逮捕された時だけ家に手紙を書いて助けを求めてくるので、今までは家族だからということでその都度助けてきたとのことでした。そんなことの繰り返しで、家族にとってはどうしようもない放蕩(ほうとう)息子・弟だったようです。お母さんはそれでも息子だからということで、何回裏切られても援助をし、今回は特に、せっかくボイラー技士の資格を持っているのだから、それを生かして定職に就くようにと援助をして期待をしていたようです。それを裏切られたのでショックが大きく、絶望的になったようです。息子と言っても、もう本来は分別のあるべき52才です。子供は姉さんと弟の二人だけとのことでしたが、母親というのは放蕩息子に何回裏切られても、頼ってこられると許してしまい今度こそは立ち直ってほしいと期待してしまう性(さが)なのかもしれません。
せっかく2時間もかけて家の前まで行ったのに、短い電話だけで姉さんにもお母さんにも会えずに帰るのは残念でしたが(使った時間だけでなく、往復の高速道路料金とガソリン代も年金暮らしの私にとってはかなりの支出でした)、私に対して申し訳ないという気持よりも、恐らく本当は誰だかわからない他人の私に放蕩息子・弟に苦しめられている家族の内情を見られたくないという気持の方が強いのだろうと思って諦めました。仕方がないので、明日土浦拘置支所を訪ねて再度A氏に面会し、今日姉さんと話をしたことを伝えますと言いました。今私にできることは何もないようだけど、将来刑期を終えて出所してから相談相手が必要な時が来たら、私は保護監察官 http://www.fukusisi.com/fukusi/archives/2006/03/post_436.html ではありませんが場合によっては相談相手にはなれるかもしれませんと言い足して、帰路につきました。姉さんは最後に私の名前を確認して書き留めたようですが、A氏には今までよっぽど煮え湯を飲まされるような経験をしてきて、もうほっといてほしいというのが本心のようでした。明日面会する時にA氏に見せるために、家と近所の写真を2~3枚撮ってきました。
今朝出かける前に用事で寄った松戸郵便局で順番待ちの間に備え付けの日本経済新聞を手に取ってみたら、東京都がデング熱に関して2015年以降の感染対策をまとめたという記事が載っていました。
http://2ntv-a.info/articles/view/1419487648
専門家による対策会議の結論として、デングウィルスを媒介する蚊の発生を抑えたり、早期に診断する体制を整備するというのは当然ですが、国に対して、薬剤散布による生態系への影響調査の実施を要請したとありました。都立代々木公園で感染が確認されて以来、8月と9月は蚊を防除するために真っ白い霧状の殺虫剤がもうもうと散布されている映像がテレビニュースで毎日のように放送されていました。普段は何Kmも離れたところで1年に1回散布しても、体調が悪化したと常に苦情を訴える反農薬活動家グループが、周辺に大勢の人々が集うこんな都会の真ん中の公園で大々的に殺虫剤が散布されていることにどうして反対の声をあげないのか不思議な気がしていました。実際に、散布した殺虫剤の飛散で周辺の誰かが体調が悪化したというメディアの報道もありませんでした。検討会では、周辺住民への健康影響の可能性は問題にならずに、生態系への影響の可能性だけを問題にして調査の必要性を指摘したようです。
人間に病気を媒介する昆虫の防除に散布する殺虫剤のありがたさは、防除をしない場合のリスクを考えればすぐ実感できますが、作物や樹木の害虫の防除に散布する殺虫剤は、本当は食料生産や環境保全に大きな貢献をしているのですが、身近な問題として感じられないので反対し易いというようなことがあるのでしょうか。