2014年12月29日月曜日

この数年は年末の恒例行事のようになりましたが、東京在住の長姉(私より12才年長)が訪ねてきて、妻が1週間ぐらい前から頭を絞って腕によりをかけて作った手料理の昼食を食べました。終戦(敗戦)後、朝鮮から引き揚げてきて宮崎県小林市に住んでいた頃から男2人、女2人の我が家の子供たちの中で一番優秀で、当時非常に難しかった津田塾大学に合格して英語を学び、84才の今でも自宅で何人かの生徒たち(といっても大人)に英語を教えています。駐日英国大使ティム・ヒッチンズTim Hichens とは、彼がまだ子供でお父さんが駐在武官として英国大使館に勤務していた頃から交流があったらしく、大使になって再来日した彼が津田塾大学で講演をした時は関係者として特別招待されたとのことでした。そんな姉も、帯状疱疹の経験や白内障の手術や高血圧もあって、最近は体調が万全ではなく、会うたびに体が小さくなって弱々しくなってきたように感じます。

引揚げの時は私は3才で、この姉の背に負ぶわれてソ連兵に見つからないように山の中を歩いて38度線を越えて南側に逃れたと聞いていましたので、その当時のこととか引き揚げてきてからのこととかを話してもらいました。朝鮮では祖父がリンゴ園をやっていた黄海道黄州(ファンジュ)というところに住んでいましたが、開城(ケソン)にも分園があり、当時は開城は南側で米軍の支配下にあったので(朝鮮戦争の結果、北側に編入された)、開城のリンゴ園に辿(たど)りついてからは、引揚げ船に乗るまでの間家族一同しばらく休むことができたとのことでした。
今日はあいにくの天候で冷雨が降っていましたので、松戸駅まで私の車で送り迎えをしました。

家を出て東京で自立している息子は忙しいらしくほとんど実家に顔を見せませんが、1年に1回はお正月に夫婦で観に行くようにと映画の券を送ってくれます。今年はどの映画を選んだのだろうかと思ったら、「ゴーン・ガール」という内容が想像できない日本語の題名の映画でした。ネットで調べたら、デヴィット・フィンチャーDavid Fincher監督の"Gone Girl"という題名の、妻が失踪するという内容のミステリー/スリラー(原作はギリアン・フリンGillian Flynn著のベストセラー小説)のようです。外出するのが嫌いな性格の妻ですので、息子から映画の券が送ってきた時だけの本当に1年に1回の夫婦そろっての外出ですが、楽しみです。