2014年12月4日木曜日

アメリカから持ち帰ったマツノザイセンチュウ抵抗性と思われる4種類のマツの種子からコンテナ苗を育成するトレイを、どこから購入できるのかいろいろ調べて、やっとわかりました。
私たちがいつもマツの苗を購入する茨城県那珂市の大森種苗園に問い合わせたら、茨城県林業種苗協同組合に問い合わせるように言われ、そこに電話をしたら全国山林種苗協同組合連合会(全苗連)に問い合わせるように言われ、そこに電話をしたら千葉県山林種苗緑化木協同組合に問い合わせるように言われました。結局、樹木のコンテナ苗育成用トレイは林野庁所管の森林総研で開発されて特許が設定されていて、全苗連が特許使用料を無償で製造権を与えられ、各県の山林種苗協同組合から上がってきた注文数に応じて毎年業者に作らせて、配布(販売)しているという仕組みのようです。
トレイにはサイズが2種類あって、150mℓ×40植え穴が760円/トレイ、300mℓ×24植え穴が750円/トレイでした。業者はプラスチックを流し込んでトレイを作る金型を製造しなければならないので、1ロット当たり1000枚(トレイ)の単位で注文を受けて製造をするのだそうです。アメリカから私が持ち帰った種子は数百粒ずつ4種類ですので、40植え穴のトレイを40枚(=1600種子分)発注しました。
マツ苗育成用培土については、ココピートオルド80%+鹿沼土20%+肥料5g/ℓのものがよいとのことで、1袋(50ℓ入り)840円で、植え穴の容積の13%増しで必要量を計算するように言われましたので、計算して少し大目に7袋発注しました。
届いたら、どこで苗の育成をするか一緒に研究している仲間たちと相談して決めたいと思っています。
松くい虫防除の殺虫剤散布をしなくてもすむ海岸の砂防林を、マツノザイセンチュウ原産国のアメリカから導入した抵抗性の松で再生することを目指した研究の準備が、一歩一歩進んでいます。苗が育ってマツノザイセンチュウを接種して抵抗性の検定ができるようになるのに2年くらいかかりますし、日本の環境でちゃんと生育できるか確認するのにさらに数年かかりますので、うまくいったとしても砂防林が再生できるのは50年後か100年後で私がこの世からいなくなってからの筈です。

明日の東京農大総研の農薬部会セミナーの講演要旨の印刷作業をして下さった事務局担当者からの連絡では、農薬部会のメールアドレス宛に届いていたグリーンピース・ジャパンからの参加希望者は1名ではなく、3名だったということを今日初めて知らされました。幸い、今回は食と農の博物館の狭い会場ではなく、グリーンアカデミーの広い会場で座席数に余裕がありますので、農薬部会長としての私の一存で全員の参加を受理するように事務局担当者に伝えました。
農薬やネオニコチノイドについて批判的な立場のグリーンピース・ジャパンの人たちが科学的な事実について勉強し、そうでない立場の人たちとの間でしっかりしたコミュニケーションができることは、有意義なことだと信じます。