2015年1月16日金曜日

東京農業大学総合研究所研究会農薬部会の新年の顔合せ会と特別講演が世田谷キャンパスの食と農の博物館であり、私も出席してきました。特別講演は、バイエルクロップサイエンス株式会社の社長のDr. Harald Printz(ハーラルト プリンツ)にお願いしました。私が農薬部会長なので講演の座長として演者の紹介をしました。プリンツ博士は若干49才の若さですが、ドイツにあるバイエル本社の研究所に勤務の後、中国、韓国、タイで勤務し、一昨年8月から日本に着任した人です。

"Feeding a hungry planet - Perspectives of a mutinational company"という演題で、国際的(多国籍)企業の立場から、予測されている地球の人口増大から必要とされる食料増産に化学農薬(Chemicals)、生物農薬(Biologicals)、種子(Seeds)の供給という3つの分野で貢献していくという話をしました。世界の状況を俯瞰する内容の、新年に相応しいよい講演でした。
質疑応答の時間に出たいくつかの質問の中には、「同社が茨城県結城市に持っていたりっぱな研究所を閉鎖したことについてどう思うか」(素晴らしい農薬を開発した実績がある研究所だったので日本人の関係者は残念に思っている)というような答え難いものもありましたが、建前と本音を織り交ぜて上手に答えていました。
Organic Agriculture(有機農業)はドイツから始まり、ヨーロッパでは農薬使用が厳しく制限されるようになってきたが、農薬の環境や健康に対する影響をRisk(危険度=有害性×ばく露量)ではなくHazard(有害性)だけで判断するのは非科学的で間違った政策だと述べていました。

会の終了後はいつもにように山本 出先生のご自宅で演者を囲んでの二次会があり、私が帰宅したのは夜の12時を過ぎていました。