2015年3月24日火曜日

東京農業大学の食と農の博物館で総合研究所研究会生物的防除部会セミナーが開催されました。平成26年度第3回ですが、1995年の発足時からの通算では第61回になるそうです。

2題の講演がありました。1題目は農研機構野菜茶業研究所の佐藤安志氏による「チャの侵入害虫チャトゲコナジラミとその有望天敵シルベストリコバチ」で、2題目は有限会社サギサカの鷺坂祐志氏による「いちごのIPM-満足な結果とは?」でした。佐藤氏らの研究により、柑橘に寄生するミカントゲコナジラミとお茶に寄生するチャトゲコナジラミは形態学的には非常に良く似ているが、詳細に見ると区別がつき、ミトコンドリアDNAのCO1領域の延期配列でも区別がつくとのことでした。さらに、これらのコナジラミを宿主とする寄生蜂のシルベストリコバチにも、実はハプロタイプがあり、それぞれ日本に侵入した時期が異なると推察されるとのことでした。
鷺坂氏の会社は農薬の卸商ですが、それに加えてカブリダニのような天敵の販売やIPM(総合的有害生物管理)資材やいちごの苗の販売をしているとのことで、静岡県におけるいちご農家のIPMの普及状況について詳しく紹介しました。
両方とも大変興味深い講演で、よい勉強になりました。
セミナー終了後、近くの居酒屋に会場を移して懇親会があり、さらに意見交換を続けました。

明日は朝7時頃松戸を出発し、樹木医のA氏と一緒に2トン積みトラックを運転して南房総の和田浦に行き、千葉県南部林業事務所が伐倒して集積した松くい虫被害木を入手してくる予定です。館山の白浜ホテルに一泊して、明後日茨城県下館市まで運搬して、網室に入れる予定です。。