2015年5月20日水曜日

朝5時半頃自宅を出て、土浦駅で樹木医A氏が運転してきたレンタルの小型トラックに乗って、茨城県神栖(かみす)市の飛砂防備保安林のある海岸には9時半頃着きました。道路脇に集積してある松くい虫被害で枯死した伐倒丸太の中から、マツノマダラカミキリが多数寄生していてできるだけ細い丸太を61本選んで、トラックに積み込みました。県や市の担当者にとっては憎たらしい松くい虫でしょうが、私たちにとっては研究に使える材料(お宝)が多数入手できたので大満足でした。1本から10頭羽化脱出してくれば、600頭ぐらいになるかなと皮算用しました。
ここの松林も防除の失敗でボロボロの状態でしたが、松枯れは伝染病であるにもかかわらず不徹底な防除をしたことの結果です。立っている枯死木には、マツノマダラカミキリ成虫が羽化脱出した孔が多数見られましたし、林内に放置されている伐倒木にも羽化脱出孔がありました。不徹底な防除でこういう発生源が放置されていては、伝染病の拡大を防ぐことはできないのは当然です。

帰りはまた土浦駅から電車で松戸駅に戻って急いでシャワーを浴びて、農薬工業会総会の講演会・懇親会が開催された東京茅場町の鉄鋼会館に駆けつけました。私は多分アカデミア(農薬に関する研究者)の一員として毎年招待されますので、参加するようにしています。日本農産物輸出組合理事長の村田興文氏の「グローバル食料安全保障とアグリビジネス」と題した講演は、演者の巧みな話術と豊富な国際経験に裏打ちされていて、惹きこまれました。