2015年5月21日木曜日

予定通り、(財)進化生物学研究所の小西達夫先生は松戸駅に朝9時に到着され、私の車で柏市にあるJAちば東葛柏地区経済センターに行きました。K氏が待っていてくれ、根芋(ねいも)を生産している6軒の農家の中の1軒に案内してくれました。
ねいもは場所によっては芽芋(めいも)とも呼ばれるそうですが、里芋(サトイモ)を栽培して小芋を収穫した後の親芋(食用にはならないので通常は廃棄)を茨城県の牛久や竜ヶ崎の辺りの農家から仕入れ、深く掘った穴の中に植えてもみ殻を重ねて育てるそうです。30日~40日で白い茎が伸びて、収穫できる長さになるとのこと。里芋栽培と違って、葉は大きくならずに地上部にちょっと出ている程度でした。今日はあらかじめ訪問することを伝えてありましたので、収穫のデモンストレーションをしてくれ、私たちが試食できるように収穫物で酢味噌和(あ)えも調理してくれていました。うどのような風味はありませんが、食感(歯ごたえ)が独特で、高級食材の感じがしました。
栽培している農家にいつからこういう栽培や食文化が始まったのかと訊いたら、江戸時代に水戸黄門が広めたという言い伝えがあるとのことでした。世界中のタロイモ食について詳しい小西先生によると、里芋の小芋を収穫した後の親芋に小さな芽が出るのを貧乏な人が食べていたのを、こういう風に白い茎を伸ばして食べるようになったのが始まりではないかとの推察でした。
帰りにはねいもを1箱おみやげにいただきましたので、小西先生と半分に分け、非常に珍しいので妻がお隣さんにも一部おすそ分けしました。

小西先生も珍しい栽培方法を見学できてお喜びでしたが、お礼に著書を一冊謹呈して下さいました。
進化生研ライブラリー10 「タロイモは語る-今知られていること、伝えること」淡輪 俊監修・小西達夫著 東京農大出版会 2013年(平成25年)3月30日初版発行 定価3,600円+税
世界の珍しい民族、景色、タロイモの写真が多数掲載されている156ページの本ですが、今からゆっくりページをめくる楽しみができました。