2015年6月11日木曜日

東京メトロ東西線の南砂(すな)町というところにある(公財)日本住宅・木材技術センターで、平成27年度前期の木材保存剤等性能審査委員会安全性部会が朝9:40からあり、出席してきました。申請された5製品について、安全性の観点から審査をし、一部追加情報が必要なものもありましたが、全部問題はないという判定しました。

審査規定についても一部を見直し、提出を求める試験成績について、製剤、原体、有効成分の定義を明確化して、申請者に誤解を招かないようにすることにしました。昔と違って、木材保存剤についても以下のように多くの試験成績を資料として提出することが求められています。
1. 識別及び物理化学的特性に関する資料
2. 人畜毒性に関する資料
3. 水産動植物等に対する毒性に関する資料
4. 動物及び土壌、水中における分解性、残留性に関する資料
5. 安全性に関する説明

国立感染症研究所のK博士が、ブユの成虫を捕獲するトラップに関して殺虫剤を練りこんだネットを利用する次の2つの論文を見つけて送ってくれました。
http://to-noken.ac.affrc.go.jp/DB/DATA/061/061-085.pdf
http://to-noken.ac.affrc.go.jp/DB/DATA/059/059-123.pdf
これらの論文を見ると、放牧されている牧場の乳牛にとってもブユによる吸血は大きな問題らしく、殺虫剤を練りこんだネットを使って誘殺する試験が実施されています。広い牧場でブユ成虫を誘引するのに、炭酸ガスに黒色の板を設置すると誘引効果が高まるという有用な情報が得られました。