2015年6月12日金曜日

我が家の孫たちは、日本到着翌日に一番下のColin(琥倫)だけが時差ボケで夕飯を食べる前に熟睡してしまったことを除いて、全員元気に過ごしています。近所の小学校に体験入学で通える手続きをして、来週火曜からは学校に行く予定です。真ん中のAika(愛夏)はカリフォルニアのミュージカルスクールの公演で主役を演じた時に歌った歌を歌ってくれました。爺(じじ)馬鹿、婆(ばば)馬鹿ですが、私たち老夫婦にとってはこうして孫たちが元気に育っているのを見るのは何よりの喜びです。

一般社団法人日本植物防疫協会 http://www.jppa.or.jp/ の第4回総会が日暮里にあるホテルラングウッドで開催され、私も正会員の一人として出席してきました。現在の理事長の上路雅子博士(元農水省農業環境技術研究所)の挨拶に続いて、5つの議案の説明があり、全部承認されました。
この協会の主な事業は、農薬の中の殺虫剤と殺菌剤について(除草剤と植物成長調整剤については、日本植物調節剤研究協会 http://www.japr.or.jp/ という別の組織があります)実用化試験(薬効・薬害試験)や作物残留試験、環境影響試験などを受託することと、行政(主として農水省と環境省)からの委託研究を受託実施すること、植物防疫上の重要課題について自主的研究をすることの他に、植物防疫に関するシンポジウムや講演会の開催、出版事業、ウィルス病診断資材の提供などいくつかの柱で構成されています。主たる収入は試験研究の受託の筈ですが、平成26年度の受託件数の実績をみると、日本における殺虫剤・殺菌剤開発に益々重要な役割を担っているようです。
総会出席者は、正会員(個人会員、団体会員)の他に賛助会員、行政関係者、農薬流通関係者などでしたが、懇親会では久しぶりに顔を合わせる方々と言葉を交わすことができて、楽しいひと時を過ごしました。

農薬の短期暴露評価の制度を日本でも導入しつつあることに関して、依頼されて書いた解説記事が農家向けの月刊誌「現代農業」7月号と日本農業新聞5月4日付けに掲載されましたが、少し拙速ではないかという農水省を批判するニュアンスの書き方をしましたので、多分行政の関係者は苦々しく思っているだろうなと想像していました。実際に、日本農業新聞の記者からは、農水省の担当部署から抗議の電話があったという話も聞いていました。今日懇親会で会ったある行政機関の関係者は、執筆者の私の肩書が千葉大学名誉教授だけではなく、農水省と長年二人三脚で農薬管理行政に関わってきた元農水省農業資材審議会農薬分科会長と書いてあったので、農林水産大臣の目にも留まり、これはいったいどういうことかと省内で問題になったとのことでした。単に国際基準に合わせるという役人的視点だけでなく、日本の農業の現場とそれを担っている農家の現状をよく考えて制度変更をしてほしいと、やんわりとではありますが苦言を呈しておいてよかったと思います。