2015年6月2日火曜日

私が千葉大学で現職だった時に、千葉県大網白里市はまだ町で、隣接する茂原市と合併するか東金市と合併するかという話が持ち上がっていましたが、結局その後人口が増えてどことも合併せずに市になったようです。砂田(いさごだ)は後背地の昭和の森や東急セブンハンドレッドと呼ばれるゴルフ場に接した里山で、裏山から絞り出される水を水源とした小さな谷津田が棚状に並んでいて、私たちは農家から水田を借りてビオトープを造成して農薬の生態影響を何年間も調査しました。
この周辺地域は早場米の産地で、他より1ケ月くらい早く田植えをするので、どうなっているのか久しぶりに見に行ってきました。

水田は稲が緑色に育っていて、絵に描いたような美しい景色でした。アオサギやキジや、ニホンアカガエルやオタマジャクシもいました。高速道路が近くを通るというので心配していましたが、東京にこんなに近いにもかかわらずこの辺りだけは昔のままで、先日視察に行った新潟県十日町市の当間高原の集落とあまり変わらないくらい豊かな自然が残っていました。
昔調査で通っていた時も毒蛇のマムシがいて、山の中や水辺を歩くときはいつも長靴をはくようにしていました。裏山には木立に囲まれた池がありますが、ロープが張ってあって、マムシがいるので魚釣り禁止の看板が今でも立っていました。
山の絞り水を集める洞窟も、今は市の水道が敷設されているので無用になった筈ですが、まだそのまま残っていました。
後ろの山の中にはいくつかの神社(の跡?)があって、道路にはりっぱな八幡(はちまん)神社の鳥居が立っていますが、参道は今では通る人がいないらしく、草ぼうぼうでどこが道かわからなくなっていました。