2015年7月15日水曜日

7月3日に三保の松原に現地視察・調査に行った時に採取してきた材片から線虫を分離・検出した残りの結果が樹木医のA氏から送ってきましたので、先に報告のあったデータと合わせて表にし、静岡市清水区役所の担当者に送りました。一般に、最近(H27年)伐倒駆除した木の株や枯れ進行中の木や衰弱木の材片に線虫数が多い傾向がみられます。古い(H26年)株からも線虫が検出されていますが、伐倒駆除後3年間ぐらいは根株の中で線虫は生きているようですので、不思議ではありません。
ただ、検出された線虫が全部マツノザイセンチュウかどうかは、DNA診断で確認する予定です。

もしこれらの線虫がマツノザイセンチュウと同定されれば、隣接した株同士で根系癒合が起こってマツノザイセンチュウの移動・感染が起こった可能性が示唆されます。ただし、ほとんどの株はすでに伐倒駆除されて樹冠部がありませんので、当年枝・1年枝のマツノマダラカミキリ成虫の後食痕の有無を確認できませんので、そこから侵入感染した可能異性も否定はできません。

清水区役所によると、今年の8月下旬~9月頃に今年第2回目の伐倒駆除作業が計画されているとのことでしたので、立ち会わせてもらえないかメールで打診しました。今回の調査で見つけた枯れ進行中の木3本と衰弱木1本が伐倒される時に、樹冠部の当年枝・1年枝に後食痕があるかどうか調査してみたいと思っています。もし無ければ、根系感染の可能性が一層高くなります。
そうなれば、今まで行われてきた対策の予防散布、樹幹注入、伐倒駆除の他に、根系感染に対する対策を追加することが必要ということになります。

      (表はクリックすると拡大できます)