2015年7月19日日曜日

関東地方でも梅雨が明けたらしく、猛暑になりました。

7月10日に長期入院している千葉大学時代の元同僚教授/親友のN君を見舞いに行った時に、奥様が「アリスのままで」(原題:Still Alice)という映画を観てきて非常によい映画だったと言われたので、私も時間をみて観に行きたいと思っていました。ネットで調べたら、亀有駅前か柏の葉駅前の映画館で上映していましたので、今日妻と一緒に常磐線・東部野田線・つくばエクスプレス線と2回電車を乗り継いで、午後2時20分から上映していた柏の葉駅前の映画館に行ってきました。

夫婦で大学の教員をしている、50才のアリスという名前の女性が家族性・若年性アルツハイマー型認知症 Familial Early-Onset Alzheimers Disease になって、徐々に記憶を失っていくというストーリーでしたが、アメリカの社会でも日本の社会でも実際に身近であり得る設定になっていましたので、もし自分の家族に同じことが起こったらどう対応するだろうかと考えさせられて、身につまされました。ちょっと前まで私たちと同居していた娘が、アメリカでも話題になっている(高く評価されている)映画だと言っていました。
http://www.rottentomatoes.com/m/still_alice/

元同僚教授/親友のN君も、入院して初めの頃は私が見舞いに行くと、「オー、本山来たか」というような顔をして、目をキラキラさせて私といろいろな会話をしていましたが、だんだん症状が進行して、今では一言も言葉を返してくれなくなりました。車椅子に乗せて庭を散歩させることさえ禁止されて、病室のベッドに寝たきりにされているのですから、体力がなくなり、脳の刺激もなくなり、栄養液を鼻から通したチューブで胃に流し込んでいてまるで植物人間のように生かされています。それでも、奥様が病院の規則を無視して小さなアイスクリーム容器を隠して病室に持ち込んで、スプーンで口に運ぶと、口を開けて飲み込んでいます。CDの音楽をイヤホンで聴かせるのと同様に、味覚細胞を通して美味しいと感じることで脳を刺激しているのかもしれません。脳が刺激に反応している限り、人間は生きているのでしょう。
私も月に1度は見舞いに行って、たとえ彼からの応答の言葉はなくても、研究の話や私の活動の話や世界や日本での出来事の話をして、N君の心臓が止まる時まで彼の脳を刺激しようと思っています。

静岡県西伊豆町の山間部の集落で、イノシシやシカからアジサイを守るために設置してある電気柵に触れて、大人5人子供2人が感電し、その中で大人2人が死亡したという痛ましい記事がネット http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150719-00000028-asahi-soci に載っていました。ついこの間訪ねた福井市野波(のなみ)の山村で電柵に囲まれた水田や圃場を見てきたばかりですので、驚きました。電柵というのは、電圧は高くしてあっても電流は弱いので、触るとパチッと感電して一瞬ビリビリと痺(しび)れるけれども死に到ることはないと思っていました。今回のは、感電して握った電線が切れて近くの川の中に入ったために水に電気が流れて大きな被害になったのでしょうか。いずれ専門家の見解が発表されるでしょうから、注目したいと思います。