2015年7月7日火曜日

東京駅8:33発の東海道新幹線ひかり505号で米原まで行き、そこから特急しらさぎ5号で鯖江に11:51に着いたら、福井県植物防疫協会の人が車で迎えにきてくれていました。
植物防疫協会は福井県農業共済会館の中にありますので、先ずそこに寄って理事長その他の方々に挨拶してから昼食の弁当をいただきました。

それから、勝山市にある福井県立恐竜博物館 http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/ に行き、植物防疫協会の方からお願いしてあった主任研究員で古植物学・木材解剖学が専門の寺田和雄博士の案内で博物館内を1時間くらい見学しました。案内のお蔭で、特に時間のスケールが何万年とか何億円とかの恐竜の進化や、日本列島がアジア大陸から分離する前の状態などを想像すると、今私たちが中国や韓国と国どおしで争ったり、尖閣列島や竹島の所有権問題でいがみあったりしているのは馬鹿げたことに思えてきます。
話をしているうちに、寺田博士は千葉大学園芸学部で遺跡から発掘される種子を通して古植物学を研究している准教授の百原 新先生と同窓で、研究者仲間だということがわかりました。

その後、福井市にある養浩(ようこう)館 http://www.city.fukui.lg.jp/kankou/bunka/sisetu/p013055.html というところに行きました。昔は福井藩主松平家の別邸で、御泉水(おせんすい)屋敷と呼ばれていたとのことで、書院造りの建物と庭園と池が見事に配置されていました。米国の日本庭園専門雑誌によると、2010年の評価では足立美術館、桂離宮に次いで第3位にランクされているようです。
確かに見事でしたが、周りが都市化されて高層ビルが見えるのがちょっと景観を損なっている気がしました。それと、池の鯉が餌付けに馴らされているのか、人の気配がするとさっと集まってきて餌をねだって口をぱくぱくさせるのは不自然な感じがしました。一番気になったのは、池の水が濃緑色でよどんでいたことで、これは東京の皇居のお堀も同じことですが、ちょっと適切な除草剤を選んで処理をすればきれいになる筈ですが、お堀や池に農薬を入れるという考え方自体が受け入れられないのかもしれません。元々は水が外の水路とつながって動いていたのが、隔離されて藻類が異常繁殖しているのですから、少し人の手で除去して管理してやってもいいような気がしますが。

夕食は、植物防疫協会の理事長を含めた職員4名と一緒に、鯖江市の料亭が設定してありました。おいしいご馳走をいただきながら、楽しい時間を過ごしました。女性職員が一人だけお酒を飲まずに私を宿泊予定のホテルまで車で送ってくれました。この方は女性で福井県の農業改良普及員になった第一号だったとのことで、さすが農業現場の問題に明るく、4人おられるお子さんの中の息子さんの一人はアメリカのアーカンソー州立大学に留学して最近卒業して帰国し、県庁に就職しているとのことでした。福井県の人口は約80万人とのことですから、鳥取県や島根県の60万人~70万人とほぼ同じ規模ですが、地方はどこも人口減少の中でこんな若者が県の将来を支えていくのでしょう。
千葉大学時代の私の研究室を卒業論文の研究で専攻したNさんという女子学生は鯖江市の出身で、当時同じ研究室を専攻していた長野県出身の男子学生のN君と結婚したことなどを話しました。ホテルは鯖江駅前のα-1(あるふぁわん)というホテルで、7階の私の部屋からは鯖江駅とその向こうの町の景色が見えました。鯖江市はメガネのフレーム作りの産業が盛んで、国内のシェアの95%を担っているそうですが、最近は少し陰りが見え始めているとのことでした。Nさんの実家もメガネのフレーム作りをしていると聞いていましたが、今回は連絡をとる時間がありませんでした。

福島県植物防疫協会には、私を明日の講習会の講師として呼んだということで、いろいろプログラムを計画していただいて恐縮です。