2015年8月25日火曜日

東京農業大学グリーン研究会の2日目はゴルフ場視察会で、霞ヶ浦国際ゴルフコース http://www.kasumigaura-kokusai-golf.com/course.html に朝8時に集まり、他の参加者はゴルフをしながら芝や松の状態を視察しましたが、ゴルフをやらない私だけは自宅から車で出発し、現地に1時半に到着して合流しました。

私にとっては芝も松もよく管理された大変美しいゴルフ場の景色でした。ドローンによる薬剤散布デモンストレーションの前に少しコース内を歩いてみたら、空き地から煙が上っていて、近寄ってみたら松くい虫被害で枯れたマツの伐倒木を焼却しているところでした。昨日のグリーンキーパーの話では、このゴルフ場には約5千本のマツが植栽されていて、防除をしていても毎年100本ぐらいが松くい虫で枯れるとのことでしたが、焼却しているマツは大木でしたので、もったいないなと思いました。ゴルフ場のマツは、コースとコースの境界に1~2列に線状に植栽されている場合が多いようですので、根系癒合による隣接木へのマツノザイセンチュウ感染がどれくらいあるか興味のあるところです。

ドローンによる薬剤散布のデモンストレーションという研究会主催者の説明でしたが、実際にはMAC-FACTORYという群馬県利根郡みなかみ町にある会社 http://mac-factory.com/ が独自に設計・製作した"無人農薬散布機スカイスプレー2000"という、ドローンに似た形のラジコンヘリコプターでした。http://mac-factory.com/?page_id=2 プロペラが8枚付いていて、1~3枚が故障して回らなくなっても墜落しない設計になっていました。デモ機には付けてありませんでしたが、カタログを見ると、プロペラを付けるシャフトの先に棒を付けてロープを円周に取り付けられる構造になっていて、万が一操縦ミスで人にぶつかっても回転しているプロペラに接触しないような安全装置が設置してありました。ガソリンエンジンではなく、バッテリー搭載の電動式でしたので、従来の無人ヘリコプターに比べて騒音が少なく非常に静かでした。
MAC-FACTORYの伊尾木(いおき)浩二代表の一通りの説明とデモンストレーションの後、参加者にも操縦してみるようにとのことでしたので、私も操縦がどれくらい難しいのか易しいのか試しにフライトコントローラーを操作して飛ばしてみました。そのように設計されているので当たり前でしょうが、意外と簡単で、ちょっと練習すればすぐ上手に操縦できるようになるという印象でした。
農薬の代わりに3ℓのタンクに水を入れて散布してみましたが、これならゴルフ場の松くい虫防除でマツの樹冠部の上から簡単に散布ができるのではと思いました。

スカイスプレー2000は水田での農薬散布を想定して設計・製作してあるそうですが、伊尾木代表とは名刺交換・情報交換をしましたので、これからさらに飛散調査試験や、防除効果試験や、作業効率試験などを実施して、松くい虫防除用に若干の改良を加えれば、かなり有用な防除方法になる(ニーズがある)ような気がしました。価格も、本体ユニット一式、バッテリー、充電器その他の附属品込みで100万円ちょっとのようですから、確か1千万円ぐらいした筈の従来のガソリンエンジン搭載の無人ヘリコプターに比べて、手ごろだと思いました。