2015年8月28日金曜日

自宅を7時ちょっと過ぎに出て、東京から新青森まで新幹線はやぶさ5号、新青森から青森まで特急スーパー白鳥5号に乗って、青森駅からはタクシーで、農薬シンポジウム(青森)が開催される青森県総合社会教育センターにはちょうど昼の12時頃着きました。
出演者の顔合わせと名刺交換を兼ねた昼食会後、シンポジウムは午後1時半から始まり、主催者の全国農薬安全指導者協議会の会長の挨拶に続いて、私の「農薬とは何」と題した講演が1時間半、その後15分の休憩をはさんでパネルディスカッションが4時半ぐらいまでありました。担当者のミスで私には当日の進行予定表もパネルディスカッションのメンバーが誰かも届いていませんでしたが、青森県植物防疫協会常務理事の川嶋浩三氏がコーディネーターを務め、パネリストは私の他に生産者代表として農事組合法人鬼楢(おになら)営農組合組合長の鳴海廣治氏、消費者代表として青森県生活協同組合連合会常務理事の小野寺静子氏、行政機関の専門家として青森県病害虫防除所の所長の坂本 清博士がメンバーでした。
小野寺氏は生協活動がスタートした時代背景や、現在行っている取り組みに関して紹介してくれましたが、私に課題として見えてきたのは、社会が分業化した今日、生産者と消費者の距離が遠くなってお互いの顔が見えず信頼関係も薄れてきているということでした。生協が取り組んでいる産直活動はそれを克服する一つの方法でしょうが、消費者としてはもっと生産現場からの情報がほしいという要望をしておられました。
今回のシンポジウムの最大の収穫はそういう声が聞けて、今後生産者と消費者を結びつける活動につながるのではないかということでした。

鳴海氏は弘前市のりんご農家らしく、あみやげに新品種のりんごをいただきました。まだ品種登録されていないのか、名前がついていないとのことでした。赤い色が鮮やかで、いい香りもするりんごでした。アンケート調査に協力してくれた参加者には、主催者からお礼にながいもとにんにくがプレゼントされていましたが、いずれも青森県が生産量日本一だとのことでした。私も欲張って、残り物を2袋いただいてきました。

会場には、千葉大学時代の私の研究室の卒業生のH君が来ていました。卒業年次から計算すると50代後半ぐらいの筈で、もう子供は成長して自立していると言っていましたが、私には彼が大学4年生で私の研究室にいた頃のイメージがそのまま残っていました。大学教師をしていてよかったことは、こうして昔の専攻生と会えることです。農薬会社勤務で現在は仙台支店にいて東北6県を担当しているらしく、シンポジウム終了後一緒に生の津軽三味線が聴けるという酒場に案内してくれました。創業は享保4年(1719年)で青森で一番古いと看板に書いてありましたが、囲炉裏を囲むような配置で、午後7時から30分ぐらい貫録のある風貌の男性が津軽三味線を弾いてくれました。http://marutomisuisan.jpn.com/isariya-tugaru/ 
座席の横の壁には青森県出身の版画家の棟方志功(むなかたしこう) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%9F%E6%96%B9%E5%BF%97%E5%8A%9F の写真と作品が掲げてありました。

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