2015年8月8日土曜日

何日間も連続していた猛暑がやっと途切れて、朝から気温が変わったのが感じられました。そういえば今日は暦の上ではもう立秋だそうですから、そろそろ秋が立ってもよい頃です。
昼休みに運動で水元公園のC地区からB地区まで回って、3時間ちょっとウォーキングしてきました。陽射しは強かったですが、木立の日陰に入ると快適でした。
水元公園C地区に行くといつも不動池に寄ってみますが、今日は珍しく望遠レンズ付きのカメラを構えた人は一人もいなくて、偶然カワセミが目の前の小枝に飛んできました。
セミは相変わらずアブラゼミが優先的でどこにもここにもいますが、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシも見ることができました。
オニバスも大きな棘(トゲ)のある葉を広げ、紫色のきれいな花を咲かせていました。
帰りに園芸学部に寄って、先日柿の木に発生していたイラガの幼虫がどうなっているかチェックをしたら、若齢の時には葉の表皮は残して葉肉だけを裏側から食べていたのが、だいぶ大きくなって別の葉に移動して表皮も含めて葉を先端からむしゃむしゃ食べていました。まだ大半の個体は集団行動を保っていましたが、中には個体で行動するものも見られました。

名古屋大学大学院生命農学研究科生物機能分化学講座(改組でこういう訳のわからない名称を付けると、どういう学問分野の構成なのかわかり難くなります)の害虫制御学分野の元教授伊藤嘉昭先生は、定年退職後この2~3年は体調を崩しておられましたが、5月15日に亡くなられたとのことです。昔、農水省の農業技術研究所(今の農業環境技術研究所)勤務時代から個体群生態学分野で活躍された方ですが、いわゆる血のメーデー事件 http://yabusaka.moo.jp/maider.htm で逮捕され、その後大変苦労をしながら研究を続けてこられました。
私は1978年(昭和53年)にアメリカから帰国して千葉大学助手になったばかりの時に、名古屋大学の研究室の研究集会で講演をしましたが、日本の社会が農薬を悪者扱いにして、農薬研究者に対してもまるで反社会的であるかのような目でみられるので驚いたとコメントをしたら、当時まだ助教授だった伊藤先生に学問は冷遇されている時こそ発展するので(チヤホヤもてはやされている時は底が浅くなる)がんばれと励まされたのを思い出します。
生態学が専門の左翼の代表みたいな先生に、農薬の研究をしっかりやれと言われたのですから、予想外だったと同時に嬉しく思いました。
その後、先生が定年退職後、私が農薬の生態影響について研究費を確保した時に先生にもチームに入っていただいて、わずかばかりですが研究費を提供しましたら大変喜ばれました。当時の私は生態学は素人でしたので、データの解析を含めて指導をしていただきました。
11月28日(土)に名古屋大学シンポジオンホールで伊藤嘉昭先生を偲ぶ会が計画されているようですので、私も参加したいと思っています。