2015年9月4日金曜日

朝11時に会場の札幌コンベンションセンターに集まりました。コーディネーターの中尾弘志博士は北海道大学農学部の応用動物学講座の出身で、北海道農業試験場を定年退職後に一般社団法人北海道植物防疫協会の会長をされている方でした。生産者代表としては有限会社グリーン坂東と北海道アグリ企画株式会社の代表取締役の坂東達雄氏、消費者代表としては奥様の坂東幸恵さんと、もう一人酪農学園大学4年生の吉田崇之君が来ていました。総合司会は、何年か前に農薬シンポジウムを札幌で開催した時もお会いしたプロのアナウンサーで有限会社ボイスオブサッポロ代表取締役の橋本登代子さんが勤めました。

主催者の全国農薬安全指導者協議会(略称安全協)の大森 茂氏の開会の挨拶に続いて、私が「農薬ってどういうもの?」という演題の基調講演を約50分しました。15分の休憩をはさんで、第2部のパネルディスカッションが約1時間あり、最後は安全協理事の北濱宏一氏の閉会の挨拶で終わりました。アンケート調査に協力していただいた参加者には、退出時にドアのところでヴェール(フランス語で緑の意味だそうです)農場産のタマネギ(札幌黄玉葱)とジャガイモ(男爵芋)を提供していました。ヴェール農場 http://www.vert-ferme.com/ というのは、JGAP認証も取得していて、経営規模はたまねぎ700a、かぼちゃ35a、馬鈴薯85a、とうもろこし270a、枝豆70a、ハウス野菜(ピーマン、なす、きゅうり、ほうれんそう、小松菜、トマト、ゴーヤ・ニラなど)10aの作付面積ですから、りっぱなものです。

私の講演も、スライドを絞って準備をしてきたので、大体時間通りできました。閉会後に控室に戻ったら、会場から参加者の一人の女性が質問があると言って訪ねてこられました。ヌカ漬けは古い糠床(ぬかどこ)を長年使い続けるので、中に入れるキューリやナスなどの野菜の残留農薬が蓄積していて危険だという人がいるが本当かという質問でした。私自身は糠床のヌカを分析したことがないのでどれだけ残留農薬が蓄積しているかわかりませんが、厚労省が公表している農産物の残留農薬検査結果では99.8%で残留農薬は検出もされていませんし、検出される場合も極めて微量ですし、水分のある糠床中ではどんどん分解されていく筈ですから、ヌカ漬けを食べると危険ということはないのでは、と答えておきました。
我が家でも、妻が何十年来の糠床を使ってヌカ漬けを作ってくれていますので、現職の時のように自分の研究室があればすぐ分析できるのですが。いつか機会があれば、食品残留農薬の分析をやっている人に訊いて確認してみようと思います。

帰りは新千歳空港に着いたら出発までに少し時間がありましたので、空港のロビーで生ビールでのどを潤しました。自宅に着いたのは夜の11時頃でした。